「ユニクロ 銀座店」正面入り口
ユニクロ（UNIQLO） 」は、9月17日にリニューアルオープンする東京・銀座のグローバル旗艦店「ユニクロ 銀座店」を公開した。12フロアの各階に、「ユニクロ」の商品やサステナビリティ関連の活動、同社の歴史などを紹介するインスタレーションブースを設置。気づけばわれわれの生活の中に溶け込んでいた「ユニクロ」を、改めてしっかり知ることができる売り場となっている。12階には初のカフェも導入し、オープン前から話題を呼んでいる。
【1階】“LifeWear”の世界観を表現するフロアの1階には、色とりどりのカシミヤニットが振り子で揺れるインスタレーションを導入。改装前はみっちり商品を陳列していた奥の壁も、商品がくるくる動く楽しいインスタレーションスペースに
【1階】生花コーナーの「ユニクロ フラワー」も改装に合わせて導入した。9月17日時点で、生花コーナーがある店舗は全国で9つ。バラなども含め、一律1束390円のユニクロ価格で販売している
【12階】リニューアルの目玉の1つであるカフェコーナー。オリジナルのマグカップなども展示
【12階】カフェではゲイシャ種のハンドドリップコーヒー（450円）やブレンドコーヒー（200円）、「銀座ウエスト」のクッキー（200円）を提供。カフェ運営は外部企業に委託している
【12階】ユニクロの歴史を振り返るインスタレーションもある。山崎まさよしさんなどが登場するかつてのCM動画も流れて懐かしい
【12階】ユニクロの歴史コーナーには、柳井会長直筆の創業当時のユニクロコンセプトシートなどもある
【12階】第5号を発行した「LifeWearマガジン」のロゴ入りオリジナルグッズのポップアップコーナーもある。全国6店の蔦屋書店でもポップアップを実施している（一部店舗は既に終了）
銀座地区には昨年6月にオープンしたグローバル旗艦店、「ユニクロ トウキョウ（UNIQLO TOKYO）」もある。「『ユニクロ トウキョウ』は商品がたくさん詰まっていて、世界観を感じてもらうにはいい売り場。ただし、商品1点1点についての発信がやや弱い」（広報担当者）。そんな考えから、銀座店はユニクロが打ち出す“LifeWear”1点1点の価値を改めて発信する場としてリニューアルした。
「ユニクロの服はいつの間にか世の中に浸透していた部分もあると思う。定番商品であっても、それがどんな仕組みなのかを知って着ている方は実はそんなに多くない」と分析。そこで、「ヒートテック」「ウルトラライトダウン」といった看板商品がなぜ暖かいのか、軽いのか、ジーンズ生産の過程ではどのように環境負荷を減らしているのか、「ドライEXポロシャツ」などに使われている再生ペットボトル繊維はどう作られるのかといったことを、アートや理科の実験風など、あの手この手のインスタレーションで発信している。「3Dニット」のインスタレーションでは、島精機製作所の「ホールガーメント」編み機を持ち込み、生産風景を実演。文字だけではなかなか分からない“無縫製ニット”がどんなものかを実感できる。
「ユニクロ」×「セオリー」コラボも
【10階】メンズのクリーンカジュアルフロアには、カスタムオーダーのサロンを設置。テーブルやイスもあるゆとりのある空間で、採寸や商品選びができる
【10階】毎シーズン少しずつ改良を重ねている、ユニクロの“マスターピース”（銘品）を解説するコーナーは、特に読み応えのあるインスタレーションの一つ
【9階】メンズのインナーやスポーツウエアのフロアでは、「ヒートテック」がなぜ暖かいのかを解説。生地の編み目を思わせる赤いインスタレーションがポイント
【8階】メンズカジュアルのフロアには、ユニクロのアンバサダーであるスノーボード平野歩夢選手の声を生かして作った「ハイブリッドダウン」を発信するインスタレーションを設置。スノーボード板をはいた躍動感ある平野マネキンも登場
【7階】キッズとベビーのフロアでは、ペットボトルが再生ポリエステル繊維になる仕組みを実験風に展示。ハンドルを回すと動き出す仕掛けで子どもたちに大人気になりそう
【7階】キッズとベビーのフロアには、ユニクロのサステナビリティ大使、緑の「ドラえもん」が何体も。クイズラリー企画も行っている
【6階】ウィメンズインナーのフロアには、フィッターがサイズなどの相談に乗ってくれるサロンを導入した。ソファも置いてゆったりした雰囲気に
【5階】ウィメンズボトムのフロアでは、ユニクロが誇る米ロサンゼルスのジーンズイノベーションセンターを紹介。加工における水の使用量をどうやって抑えているかなどを発信
【5階】自分好みにその場でTシャツやトートバッグをカスタマイズできる「UTme!」と、刺しゅうができる「マイユニクロ」のコーナーも
【4階】ウィメンズのきれいめカジュアルのフロアには、工場で使っているのと同じ「3Dニット」の編み機を設置。“無縫製ニット”がどんなものかが目で見て理解できる
【3階】ウィメンズカジュアルのフロアには、前を通る人の動きに合わせて「ウルトラライトダウン」が舞い上がる展示を設置。軽さのヒミツなどを発信
【3階】昨年からスタートした「ウルトラライトダウン」の回収・再利用についても発信。回収したダウンを風で分離する工場の仕組みを再現している
次のインスタレーションは何だろうとワクワクしながら各階を巡るのは、まるでさまざまなコンテンツが詰まった雑誌を読み進めていくかのような、もしくは科学館や博物館を訪ねるような感覚。注目ポイントは非常に多いが、中でも新鮮なのが“LifeWearフロア”と名付けた12階だ。初のカフェ「ユニクロコーヒー」を導入し、「銀座の喫茶店なら一杯1000円以上するところもある」という希少なゲイシャ種のハンドドリップコーヒーを450円というユニクロ価格で提供している。
12階には創業当時の店の写真やかつてのCM動画、柳井正ファーストリテイリング会長兼社長直筆の創業時のコンセプトシート、今はなき業態「スポクロ」「ファミクロ」のロゴ入りアイテムなどを集めたコーナーもあり、ユニクロ37年の歴史を振り返ることもできる。日本人の定番になったユニクロの歴史を振り返ることは、自然と「このCMのころは自分はこうしていたな」「このロゴの店に親と買い物に行ったな」というように自分のことも振り返ることになって面白い。
リニューアルオープンの9月17日に合わせて、ウィメンズのインナーウエアで吸水ショーツも発売。また、「ユニクロ」とファーストリテイリング傘下の「セオリー（THEORY） 」とのコラボコレクションの一部も、他店での発売（10月1日）に先駆けて17日から販売する。
■「ユニクロ 銀座店」
