ファッション

「リンシュウ」ウィメンズが力強いスタート 優しいモードで女性をエンパワーメント

  パリ・メンズ・コレクションに30年間参加し続ける「リンシュウ(RYNSHU)」はパリコレ期間中の9月28日、2022年春夏ウィメンズ・コレクションを発表した。コレクションは、東京ではリアルショーの形でお披露目。その映像をパリ・コレクションの期間中に世界に向けて配信し、ウィメンズの本格デビューを果たした。“戦う天使たち”に捧げるウィメンズを手掛けたのは、「リンシュウ」の山地正倫周(やまじ・りんしゅう。以下、正倫周)デザイナーと、パートナーのRieco YAMAJI(以下、Rieco)。東京でのファッションショーをレポートする。

不透明な時代の女性に
威風堂々の強さを

 東京ミッドタウンのビルボードライブ東京で開かれたファッションショーは、東京の夜景が広がる空間で行われた。コレクションは、未だ不透明な時代を強く生きる女性をエンパワーメントするかのよう。ボディコンシャスなシルエット、肌見せをいとわないミニ丈のボトムス、そしてブラックのフォーマルやイブニングにあしらった大ぶりのビジューやミラーのようなスパンコールーー。そんなモードな洋服に身を包んだモデルが自信満々にランウエイを闊歩する姿は、まさに威風堂々だ。正倫周が長年表現し続けた「1点モノのように特別な洋服で、自分らしく生きて欲しい」という思いと、Riecoの「女性は、時には男性と違うパワーが欲しい」という共感を誘う願いが融合し、「リンシュウ」のウィメンズ・コレクションは力強いスタートを切った。

優しいシフォンや真紅の
カラーパレットで
優しく寄り添う

 同時に、「リンシュウ」のウィメンズ・コレクションは、女性に優しく寄り添ってもくれる。ボディコンシャスなドレスは、身体中に走るファスナーで体型や気分次第のアレンジが可能。レオパード柄のブラウスは軽やかなシフォン素材。大きなボウ(リボン)や真紅のライナーなど、赤リップをまとった女性のような優しさも忘れない。ジャケットの多くは袖下にスリットを忍ばせ、可動域を拡大。柔らかな素材のサルエルパンツは心地よさを提供しつつ、“「リンシュウ」らしさ”をアピールする。Riecoは、「私自身が『リンシュウ』を毎日着るようになって、魅力を誰よりも強く感じている」と話す。迫力を宿すショルダーライン、最良の着心地を提供するサルエルパンツ、コンバットブーツ、そして、ブラックをメーンとするモードとクチュールレベルのクオリティーー。ウィメンズでも、「リンシュウ」の魅力はそのままだ。

「潔さと強さ、
しなやかさと美しさが
人の心に火をつける」

 クリエイションから携わった初のファッションショーについて、Riecoは、「パリメンズにデビューして30周年でスタートしたウィメンズは、圧倒的に潔く、パワフル。でもしなやかでもあり、美しく、心地よい。それが着る人の心に火をつけるようなコレクションです。日々戦う人のために、頭から爪先まで、全身にエネルギーを宿す服なんです」と語る。

 「リンシュウ」は過去30年、メンズをメーンに既成概念にとらわれないチャレンジを続けてきた。「私もいろんな可能性にチャレンジし、『リンシュウ』を知らない女性、新しい世代に発信していきたい。携わるようになって以来間近で拝見しているモノづくりをもっと知って欲しいし、『リンシュウ』を着た時の高揚感を味わって欲しい。アップデートを繰り返し、いち早く次のステージにたどり着きたいですね」。

「ランウエイは“産直野菜”の
ようで魅力的」

 Riecoはクラシックバレエの世界を経て、ビューティ業界を経てから「リンシュウ」に参画。「他の業界にいたからこそ、デザイナーが直に思いを伝えられる、その思いを直接体感できるランウエイは魅力的です。野菜で言えば、“産直”ですね(笑)。ずっと準備して、本番という一瞬に全精力を傾ける過程は、バレエにも通じます」と振り返る。ウィメンズという新たな一ページに挑み始めた「リンシュウ」は、さまざまな世界の魅力を取り入れながら進化を続ける。

問い合わせ先
RYNSHU
03-3402-5300