アーバンリサーチは、「WWDJAPAN」編集部に新東京支社およびプレスルームを公開した。同社は9月1日、東京・北参道にあった東京支社を移転。オフィス機能を持つ品川のトーキョー スタジオ、原宿のプレスルームの2拠点で9月6日から営業を始めていた。
トーキョー スタジオは1388平方メートルの1フロア構成で、最大の特徴はその名の通り、オフィス空間にスタジオ(動画用4面、スチール用3面)を持つこと。同社は旧東京支社の4階にもスタジオを有していたが、約8倍に拡充した。天井高も70~80cmアップし、利便性も高いという。
その理由について同プロジェクトを推進した齊藤悟デジタル事業本部 デジタル営業部 部長は、「ライブコマース強化のため」と話す。アーバンリサーチはトーキョー スタジオへの移転に先駆け、ライブコマース課を設立。今年4月から配信を開始した。
まだ移転から2週間だが、「執務エリアとひと続きの空間にスタジオを構えたことで、バイヤーや企画、生産管理が自分の携わった商品がプロモーションされるさまを間近に見れ、モチベーションアップにつながっている」という。
アーバンリサーチのEC化率は43~44%で、大手セレクトショップとしてはビームスやベイクルーズと並んで高い。「コロナ前が31%程度だったので、ステイホームに対応して10ポイント以上伸ばした。当社にとって実店舗も大切なので、パーセンテージは現状が最適。肝心なのは比率よりECにおける売上高の伸長だ」と述べる。
一方のプレスルームは、今年8月に閉店したアーバンリサーチ ドアーズ 表参道店を改装したもので、プレス課に所属する9人のスタッフが働く。同社のプレスの業務で特徴的なのは、オウンドメディア「アーバンリサーチ メディア」の運営だ。2019年10月、それまでブランドごとに管理していたコンテンツを統合してスタートした。現在は編集専任のスタッフも在籍し、カメラマンも正社員として採用する。「本来BtoBのプレス担当者がBtoCのオウンドメディアを手掛けることで、新たな気付きやスキルが得られ、パワーアップできている。プレスが、バイヤーや企画に取材することでコミュニケーションも増えた」と話し、2拠点化についても「当社は本社が大阪にあるため、テレビ会議文化が根付いている。またZoomなどデジタルツールも活用しており、心配していない」と続けた。