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京都・洛北に「ロク キョウト」開業 東急不動産初のラグジュアリーホテル

 東急不動産と東急リゾーツ&ステイは、京都・洛北に同社初のラグジュアリーホテル「ロク キョウト LXR ホテルズ&リゾーツ」を16日開業した。ヒルトンのラグジュアリーブランド「LXR ホテルズ &リゾーツ」の9軒目でアジア初進出。ヒルトングループにとっても京都初のホテルとなる。

 京都の奥座敷、洛北のなかでも、静寂な自然が残る鷹峯三山の麓に立地する。金閣寺が徒歩圏にあるほか、アマンなどのラグジュアリーホテルが集積し、新たな高級リゾート地として注目されつつあるエリアだ。400年以上前には本阿弥光悦が芸術村を築き、才能ある芸術家を世に輩出してきた琳派発祥の地でもある。西陣発祥の染匠・しょうざんが1951年に建設したリゾート施設「しょうざんリゾート京都」内にあり、両社の共同事業として開発された。

 コンセプトは「Dive into Kyoto」。雄大な自然を背景に、独自の美学を築き上げてきたこの地ならではの歴史、文化を生かしつつ、他では体験できないサービスと空間を提供する。オープニングにあたり、東急不動産の岡田正志社長は「京都駅から車で約30分の距離にありながらも市内中心部とはひと味違った魅力が満載のエリア。ホテルでの滞在を通して、まだ知られていない奥深い京都の魅力を伝えていきたい」と語った。

 建物は鷹ヶ峰を借景に、自然を取り込んだデザインが特徴だ。鷹ヶ峰に自生する植物を配した中庭のほか、レストラン棟の目の前には大きな水盤が広がる。「広大な土地にあえて広い水盤を作り、その浮島にホテルのシンボルツリーである台杉(北山杉)を飾った。さらに、関西圏ではここにしかない365日屋外プールを楽しめるしつらえにした」と、総支配人の西原吉則氏は胸を張る。

 ホテル内のインテリアデザインは、世界各地のリゾート地でラグジュアリーホテルを多数手がけてきた「ブリンク デザイン グループ」が担当。本阿弥光悦の芸術村から着想を得て、伝統的な京都のインテリアを現代的に解釈した静寂な空間に仕上げた。客室は「唐紙」、到着ロビーは「漆」、レストラン棟は「竹」、スパは「陶器」など空間ごとにテーマを設定。京都工芸美術作家協会の協力を得て、若手作家のアート作品が館内各所に展示されている。「若い作家の作品を多く展示することで、作家と宿泊客をつなぐ役割も担っていきたい」(西原総支配人)という。

 客室は全114室で、広さ50平方メートルの「デラックス」を中心に、100平方メートルの広さがある「ピークスイート」と「ロクスイート」、屋外の温泉プールへ直接アクセスできる「プールサイドデラックス」、天然温泉風呂付きの「ガーデンデラックス」、最上階から雄大な景色を望める「プレミアムデラックス」の5タイプを用意。宿泊料金は1泊あたり11万円~で、「連泊しやすい価格に設定した」(西原総支配人)。

 しょうざんリゾート京都は、中華料理と和食のレストランを5店舗すでに展開している。そのため、ロク キョウトにはフレンチレストランの「テンジン」を新たに出店。しょうざん全体で飲食事業の充実を図った。「テンジン」では、若い陶芸作家の作品を器に採用するなど、かつての芸術村にインスパイアされたアート感覚の料理を堪能できる。

 東急不動産初のラグジュアリーホテル開業の狙いについて、同社の望月巧実課長は、インバウンドの獲得を挙げる。「ここでは会員制リゾートホテルの東急ハーヴェストクラブを展開してきたが、会員のほとんどが日本人。コロナ前まで増えてきていたインバウンドを取り込もうということで、パブリックなラグジュアリーホテルを誘致した」。同時に、ホテルの運営を手がける東急リゾーツ&ステイにとってはフラッグシップの位置付けとなり、運営事業全体の底上げを図りたい考えだ。

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