「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第6弾は、【ファストファッション(fast fashion)】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。
ポッドキャスト配信者
佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン
ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む
若手2人が考える【ファストファッション】
同じ服がソーシャルメディアに並ぶことを避けたり、パーティーやフェスなどのイベントで普段着ないような"映える"服を着たり、テーマをそろえた服をグループやペアで着たりする若年層中心の文化では、ファストファッションが重宝される一面もある。特に「ブーフー(BOOHOO)」や「シーイン(SHEIN)」「ファッション・ノバ(FASHION NOVA)」といったECのファストファッションがその需要に応えている。
今や最も身近になったファッションの形と言えるが、そのスピードと低価格を武器に競走するあまり、搾取的な労働環境や環境負荷の高い生産体制になりかねないのではないかと危惧されている。しかし、英国のNPO団体ファッションレボリューション(Fashion Revolution)が220の指標をもとに、対象のファッションブランドの透明性を評価する「ファッション トランスペアレンシー インデックス(Fashion Transparency Index)」では2020年、スコア73%で「H&M」が1位の座についた。ラグジュアリーやスポーツウエアを含めた全250のブランドの半数以上は20%以下のスコアであったことから、スピードと価格のためにサステナビリティや倫理を蔑ろにしない姿勢を見せる企業やブランドも増えていることがわかる。
【ポッドキャスト】
「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズはSpotifyやApple Podcastsでもお聞きいただけます。