狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.8。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは「寝顔」。爆睡中でもキュートであり続ける猫に対して、寝落ちした瞬間ブス化する人間。その残酷な差が生まれる原因を考察しつつ、寝ブス化を和らげるお助けコスメをご紹介!
猫の寝顔のかわいさは、レム睡眠中に爆発する
殺人的な暑さの夏があっけなく去り、いつのまにか秋。ツルツルの床の上でヘソ天になってそこらじゅうに転がっていた我が家の猫たちも、最近はふかふかの毛布やベッドへいそいそと移動して気持ちよさそうに眠っている。
猫は1日の60%を寝て過ごすというが、猫にも人間と同じように、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」とがあるそうだ。もちろん、猫はいついかなるときもパーフェクトにかわいいので、どっちの状態だろうがかわいい事実に変わりはないのだが、ヘソ天で寝ていたり、「にゃむにゃむにゃむ……」と寝言のような声が漏れてたり、ヒゲをピクつかせたり、前足をふみふみさせたりと、レム睡眠中の猫の寝顔は常軌を逸したかわいさであり、とてつもない破壊力で猫変態の心を掻き乱すのである。
美人でも油断禁物! “無防備3点セット”で寝顔がおブスに
先日、実家に行ったときのこと。家族が何気なく撮った写真の中に、猫の横で昼寝をしている私が写り込んだ一枚があった。その寝顔のブスさたるや、スマホ画面が割れるかと思うほどの凄まじさであった。
メイクをして表情を取り繕ってもたかが知れているが、この時の私は、こともあろうに神の創りし美の最高傑作である猫の横で、「眉なし・色ムラ・口半開き」の無防備3点セットをそろえたアホ面で寝てしまったのである。とりあえず「寝顔を撮るな!」と家族にきちんと逆ギレをしてみたものの、心の中では「かわいい写真を台無しにしてごめんよ……」という猫への申し訳ない気持ちが勝り、人間はその圧倒的な美にひれ伏すしかないのだと改めて思い知った。
自分の寝顔はさておき、無防備3点セットでも寝ブスにならないのは、1000年に一人の美少女でおなじみの橋本環奈ぐらいの顔面偏差値をもつ強者か、あるいは若さという勢いで何でもかわいく見せちゃえる20代前半までの若者ぐらいではなかろうか。その条件から外れていれば、普段がどんなに美人で魅力的であろうと、無意識下では大概の寝顔はブスになる。加えて、眠りの浅いレム睡眠中は寝言や歯ぎしりが起こりやすくなるというから、ブス度がさらにアップしてしまう恐れが……。
猫という絶対美の前に人間は無力である。けれど、夜寝る前のビューティタイムで寝ブスの衝撃を和らげるぐらいの気概は持っていたい。
寝ブス返上! 猫のように24時間かわいくあるためのスリーピングコスメ3傑
睡眠中は無意識なため改善は難しいが、歯ぎしりはマウスピースで、口半開きは口閉じテープで回避するとして、あとは肌に優しくナチュラルなスリーピングメイクでどうにかカバーを。(口閉じテープ装着時のルックスについてはあえてスルーします)。
血色のなさや乾燥感からくる肌のくすみは、老け顔を印象づける原因に。寝る前のリップケアをこのグロスにスイッチして、色艶の良いかわいい唇をキープしよう。 「フジコ(FUJIKO)」の“朝可愛グロス”は、その名の通り、寝起きのすっぴんを盛るありがたき一品。寝る前にささっとひと塗りすれば、血色感とピュアな色気をまとった、ふんわりかわいいピンク色の唇で朝を迎えることができる。
眉の存在感のあるなしが寝顔の美醜を決めるといっても過言ではない。アートメイクや眉ティントができればいいが、そこまではちょっと……という人は、カラーレスなアイブロウマスカラで眉頭をシュッと立ち上げ毛流れを整えるだけでもOK。「セザンヌ化粧品(CEZANNE)」の“セザンヌ クリア マスカラ R”は、眉にもまつ毛にも自然な艶とハリをプラスできる便利な一品。透明だからすっぴん顔でも浮くことなく、ナチュラルに眉の存在感を引き立てることが可能。おまけにフィルムタイプで擦らずとも簡単にお湯オフできるのもうれしい。
色ムラやくすみ、テカリ、毛穴など、肌のアラは隠したいけれど、スキンケア後の素肌にまたメイクをするのは抵抗があるもの。そんな時に便利なのが、美白マスク発想で作られた「イプサ(IPSA)」の“スキンケアパウダー”。夜のお手入れの最後にさっと塗るだけで、マスクのように肌に密着しながら美白成分を届け、毛穴や色ムラを自然にカバー。睡眠中も明るく健やかで透明感のある肌に整えてくれる。
ちなみに、「彼女の寝顔に100年の恋も醒めた」というセリフをよく聞くが、半目やいびきの醜さに男も女もない。吉沢亮や北村匠海でない限り寝ブスになるのはお互いさまなのだから、男性も全く油断できないと心得よう。そもそも寝顔を少しでも美しくしたいのは、誰のためでなく自分のため。猫という美に近づくためのステップの一つなのだから。