毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年9月20日号からの抜粋です)
村上:セレクトショップなどが集うサステナファミリーセールのイベントに登壇した時、サステナブルファッションについて考えている大学生と知り合う機会があって。今後社会で活躍するであろう大学生たちと何か一緒にやってみたいとずっと考えていたので、今回はいいチャンスだった。ソーンさんは何が印象的だった?
ソーン:私もZ世代ではあるのですが、「何をサステナブルとするか」が違うと、「こんなにも意見が違うのか!」というのが驚きでした。
村上:再生可能な素材を使っていることがサステナブルだという考えもあれば、長く着ることがサステナブルという考えもある。でも全ての視点をクリアするのは不可能だから、ブランド側はそれらのどこに焦点を合わせてモノを作るか問われるようになるね。
ソーン:そうですね。入社して1年半の仕事を通じて、学生時代の自分だったら感じなかった企業側へのシンパシーが芽生えていて、生活者に伝わっていない部分や誤解が本当にたくさんあるなと感じました。SNSを中心に情報を取得していると、自分のコミュニティー外の考えに触れる機会や量の調整がある程度自分でできるので、企業が新しい情報をみんなに届けるのは難しい気がします。その中でもコミュニケーション方法を工夫して、より多くの視点を提供することはメディアとしてできることなのではないかと思いました。
村上:一方の学生も意義ある取り組みやアツい想いを十分発信しきれていないだろうから、彼らの考えや取り組みを伝えていくことも、われわれができることだよね。各団体とは月イチペースで寄稿形式の連載を始めたい。学生の一人が言っていた「平等ではなく、公平な関係性」を意識して、連帯していきたいな。
ソーン:「学生だからといって機会があればなんでもうれしいわけではない」という大人へのシビアな意見には私も共感しましたし、私も“対等”でありたいと思います。みんな「ファッションは楽しい」「オシャレが好き」が出発点で、だからこそ「なんとかしたい」という思いを抱いていると感じました。業界と学生をつなげていける長期的な関係性を築いていきたいです。