ファッション

「エトロ」が“色の爆発”で社会の再始動を祝福 日本からもミラノコレ Vol.2

 ニューヨーク&ロンドンに続き、ミラノ・コレクションがスタート。現地取材に加え、日本の「WWDJAPAN」編集部員もデジタルショーをレビューし、ファッションウイークの“お祭り感”を楽しみます。初日の編集長ムラカミに続き、2日目は編集部・美濃島がお届け!

空想の夏休みへ誘う
ノスタルジックな「マックスマーラ」

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は、作家フランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)が1954年に発表した小説「悲しみよ こんにちは」に着想したコレクション。学校を2回退学するなど“ちょいワル”だったサガンが、大学入試試験に落ちた夏のバカンス中に家で書き上げた“空想の夏休み”の物語で、作品の世界観と、彼女が好んで着ていたワークウエアのスタイルを拡大解釈しました。

 フィッシュマンズスモックやワークジャケット、カーペンターパンツなどクラシカルなワークウエアを、パリっとしたギャバジンやキャンバス、ポプリンに落とし込み、タンプトップやベアトップ、クレープソールのサンダルなどに合わせれば、現代版“ちょいワル少女”スタイルの完成。羽根を刺しゅうしたファンタジーなドレスも差し込み、程よいガーリーさを加えます。デニムジャケットとスカートのセットアップでラストルックを飾ったジジ・ハディッド(Gigi Hadid)もとにかく可愛かったです。

 程よく肩の力が抜けた、ワークすぎず、ストリートすぎず、リゾートすぎないスタイルは、コロナ禍の人々に共感されそう。ノスタルジックなムードと、夕日が差し込む大学というロケーション、幼少期に使ったことがありそうなデッキチェアなどの演出が相まって、気づけば“空想の夏休み”に浸っていました。

「エトロ」は“色の爆発”で
再始動する社会を祝福

 ワクチン接種などで明るい兆しが見えつつある社会状況を反映し、「自然、ポジティブな考え、そして愛を、“色の爆発”で祝福したい」と語るのは、「エトロ(ETRO)」のヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)です。その言葉の通り、今シーズンも色・柄のてんこ盛りでした。

 大胆な花柄や写実的な花柄に、ブランドシグネチャーのペイズリー柄を融合したド派手なグラフィックを連発し、フレアシルエットのデニムやニットワンピ、ロングシャツ、レギンスなど、ボヘミアンテイストなアイテムに落とし込んで行きます。無地のセットアップなどのミニマルなスタイルには、大ぶりのゴールドアクセサリーや刺しゅうしたプラットフォームシューズを合わせます。スパンコールをちりばめたジャケットやパンツ、全面キラキラに装飾したタンクトップやチューブトップが歩くたびにきらめき、人間のエネルギーを強く感じました。

 ウエアのムードと異なり、会場はだだっ広いスタジオにライトのみの無機質な空間。コレクションを仕上げるため、ヴェロニカが“自分を抑制”していた気持ちを表現したそう。メンズは会場から屋外に飛び出るデジタルショーだったし、来年はきっと晴れ切ったビーチで感情を爆発させてくれるでしょう。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。