時代を超え、多くの人を魅了し続ける「エルメス(HERMES)」の“ケリー”バッグは、どんな環境で作られているのだろう?その全貌を知るため、フランス南西部に新たにオープンしたレザー工房を訪問した。レザーの裁断やバッグの製作から新たな職人を育てるトレーニングまでが行われる現場からは、同メゾンの職人を大切にする姿勢と品質に対する妥協なきこだわりが感じられた。
「エルメス」はこのほど、フランス南西部ジロンド県の主要都市ボルドーから車で30分ほどにある新たなレザー工房、マロキネリー・ド・ギュイエンヌ(Maroquinerie de Guyenne)の落成式を行った。バッグを含む全てのレザーグッズをフランス国内で生産している同ブランドは2010年以来、9つのレザー工房を開設。今回お披露目されたのは、19番目のレザー工房となる。
埋め戻し材の保管庫跡地だった5.6ヘクタールの土地を再開発した同施設の特徴の一つは、環境基準を重視し、フランスのHQE(高環境品質)認証を受けていることだ。建築家のパトリック・アロチャレン(Patrick Arotcharen)による木とコンクリートを組み合わせた建物は、モダンでありながら自然と調和する温かみのあるデザインが印象的。屋上に設置した2250 平方メートルのソーラーパネルで施設の消費電力の40%以上をまかなっているほか、回収した雨水を植物の散水や衛生設備に活用している。また、敷地内に100本以上の植樹を行って緑化した。
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