主要百貨店5社の2021年9月度売上速報が出そろった。前年同月比で三越伊勢丹が4.7%増、高島屋が2.4%減、そごう・西武が5.7%減、大丸松坂屋百貨店が0.2%減、阪急阪神百貨店が6.9%減。新型コロナウイルスの新規感染者の減少で、各社とも8月よりも減収幅が小さくなった。三越伊勢丹は2カ月ぶりの増収を確保した。例年と比較して低気温だったことも、秋冬衣料の売れ行きを後押しした。
「お得意さま向けのイベントで時計、宝飾、ラグジュアリーブランドなどが売れた」(三越伊勢丹)。衣料品ではセーターやブルゾン、ストールなども好調に推移した。阪急阪神百貨店の阪急うめだ本店も、秋冬ファッション関連商品の動きがよく、「モード系ブランド、ラグジュアリーブランドの売れ行きが堅調」。
10月1日には緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が全国で一斉解除となった。消費マインドへの影響は現時点では測り難いが、「月の後半以降は売り上げ、客足ともに伸びている」(三越伊勢丹広報)「感染者が減るにつれ、今後も(業績の)回復が期待できる」(大丸松坂屋百貨店広報)との前向きな声も上がる。