米アイウエアブランド「ワービー パーカー(WARBY PARKER)」は9月29日、ニューヨーク証券取引所に直接上場した。初値は54.05ドル(約5945円)、終値は54.49ドル(約5993円)と同証券取引所が前日に設定した参考価格の1株40ドル(約4400円)を大きく上回った。時価総額はおよそ68億ドル(約7480億円)。
直接上場とは、新株を発行せずに既存の株式を上場することを指す。一般的な新規上場(IPO)と異なり、新株を発行しないため、新株を引き受ける金融機関に支払う手数料などのコストを削減できる。既存株主が持ち分をすぐに売却できるメリットがあるが、新株を発行しないので新たな資金調達はできないというデメリットがある。なお、同社は2021年8月の時点ではIPOの準備を行っていた。
「ワービー パーカー」は10年に創業されたD2Cの眼鏡ブランド。自宅で眼鏡を5本まで無料で試すことができ、気に入ったものがあればECで購入するというシステムと、豊富な種類や買いやすい値段で人気となった。21年6月末日時点で145店を運営し、従業員数は約3000人。
同社が米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した資料によれば、18年12月期の売上高が2億7300万ドル(約300億円)、19年は3億7000万ドル(約407億円)、20年は3億9400万ドル(約433億円)と順調に推移している。一方で、純損失は18年が2300万ドル(約25億円)、19年は前年から横ばいに推移し、20年は5600万ドル(約61億円)と赤字が拡大している。21年1〜6月期で見ると、売上高は前年同期比53.0%増の2億7053万ドル(約297億円)、純損失は前年同期の1000万ドル(約11億円)から729万ドル(約8億円)へと赤字が縮小している。