ワコールは4日、気候変動課題の解決に向けて2030年の環境目標を発表した。温室効果ガスの自社排出量(Scope1.2)ゼロを目指し順次再生エネルギーへの切り替えを実施する。20年3月期に1%だった製品破棄をゼロにするとともに、工場での残材料破棄削減に向けた取り組みを行う。また、再生繊維やリサイクル糸などの環境配慮型素材の使用率を50%にする。
同社は7月、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出算定に関する基本ガイドライン」に従い、ワコール事業のサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(Scope3)を初めて算定。また、気候変動など環境分野に取り組む国際的非営利団体のCDPの気候変動質問書にも回答した。ワコールの温室効果ガス排出量はサプライチェーンによるものが約90%を占める。Scope3の削減目標は22年3月期に新中期経営計画とともに発表予定だ。Scope3の削減はサプライヤーとの協働が重要なため、中長期的視野で計画や実施方法を検討しながらサプライヤーに働きかけていく。
ワコールは9月中旬に、“優しい世界を、身に着ける”がコンセプトの環境配慮型商品グループ“ナチュレクチュール(NATURE COUTURE)”を発売。オーガニックコットンやセルロース繊維など自然由来の素材を使用し、無染色、または、植物から抽出したカラーで染めたインナーウエアで、生産時の廃棄材料をいとに再生して次のシーズン以降に使用する“廃棄材料リサイクルシステム”の確立を目指す。
また、今までも不定期で行っていた”ワコール ブラリサイクル“活動を10月1日〜22年3月31日に実施する。部品が多いため捨てるのが困難なブラジャーを、ブランドを問わず、全国約750箇所の店舗で回収する。