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専門店9月度は秋物失速で奮わず ユニクロ19%減、無印良品は5カ月連続前年割れ

 専門店チェーン、セレクトショップの2021年9月度(既存店ベース)は、月初の気温低下で秋冬物が動いたものの、下旬の気温上昇で失速したという店が中心だった。ユニクロは8月に続き2ケタ減、良品計画も6月以降4カ月連続で前年実績割れと、コロナ禍による特需を受けていた業態の売り上げがやや落ち着いてきたと見ることもできる。緊急事態宣言明けの10月は消費回復に期待がかかる。

 ユニクロは前年同月比19.1%減。8月の同38.9%減という数字に比べると上昇したが、「下旬にかけての気温上昇で秋物の動きが止まり、緊急事態宣言の延長による外出減が客足に響いた」と広報担当者。客単価はほぼ前年並みで、客数減がそのまま売り上げに反映された。

 良品計画の「無印良品」は同5.2%減。9月から行っている生活雑貨中心の値下げ政策で客数はほぼ前年並みだったが、高気温もあり衣服・雑貨売り上げが同13.1%減と足を引っ張った。2ケタ増が1年以上続いていた食品が同13.0%減と沈んだことも大きい。これは前年9月がテレビの露出効果で、一昨年同月比90.5%増と急伸していた反動によるもの。5月以降5カ月連続の前年割れだが、「コロナの感染拡大や東京五輪中の行動規制もあった。外部環境がマイナス与件となった」と広報担当者。

 アダストリアは同7.9%減。同様に気温変化に悩まされた。「気温が高くなった下旬は、天候不順で8月に売れ残っていた晩夏物を売り切ることを強化した」と広報担当者。

 一方で、しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同7.0%増と気を吐いている。ただし、集計期間が8月21日〜9月20日のため、9月下旬の残暑の影響が加味されていない数字ではある。月初に「気温が低く推移したことで、サプライヤーとの共同開発ブランドや週替わりで打ち出したインフルエンサー企画の秋冬物が好調だった」とコメントしている。

 ユナイテッドアローズも同5.1%増と、前年の休業の反動があった4、5月以来、4カ月ぶりに前年実績超えとなった。ただし、これは前年9月が同34.0%減と大きく沈んでいた反動によるもの。「想定より厳しい着地となった。緊急事態宣言の延長で客足に影響が出た」と広報担当者。

 ベトナムなどでのコロナ感染拡大で、さまざまな業種でサプライチェーンへの影響が指摘されている。これについては「一部商品で遅延はあったが、売り上げへの大きな影響はなかった」(ユニクロ)、「一部カットソーなどで供給に遅れが発生しているが、秋冬商戦の主力であるベトナム産フランネルシャツは予定通り入荷している」(良品計画)、「ベトナムでの生産比率が少ないため、影響は軽微」(アダストリア)といった声があがっている。

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