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「ミラノコレクション」の“フレグランスボディパウダー”開発秘話 2022年は“桃の花”の香りでおうち時間をアップデート

 毎年1回の数量限定販売かつ、その年限りのデザインでフェイスパウダーとボディーパウダー、フレグランスを展開する「ミラノコレクション」。希少性が高く、その芸術的な美しさは、これまでもファンのみならずコレクターをも生み出してきた。

 ボディーパウダーの誕生から10年目の節目を迎える2022年は、惜しまれながらも最後のコレクションとなる“ボディフレッシュパウダー2022”を22年6月1日に数量限定で発売する。22年のテーマは「願う幸せ」。これまでも一人ひとりの幸せを願ってきた“ボディフレッシュパウダー”の誕生秘話から製品へのこだわり、歴代コレクションやおすすめの使い方まで、担当者に聞いた。

「伝統を
守り抜くことが美学」

WWD:「ミラノコレクション」は1991年にフェイスパウダーが誕生し、2008年にフレグランス、13年にボディーパウダーがラインアップに加わり3アイテムを展開する。ボディーパウダーを開発した理由は?

竹之内裕子「ミラノコレクション」商品開発担当(以下、竹之内):年に1度の“ご褒美”として年末に発売するフェイスパウダーは毎年購入してくださるファンの方が多く、「年に1回だけではなくもっと『ミラノコレクション』の世界に浸りたい」とうれしい声をもらっていました。そこで、半年後の夏に、フェイスパウダーに代わるアイテムが展開できないかと模索した中で、「ミラノコレクション」が誇る粉体と香りの技術力を融合した製品として、ボディーパウダーにたどり着きました。それまでは香り豊かなボディーパウダーは市場にあまり出回っていなかったので、お客さまからは「こんなに高級で上質な香りを身にまとえるなんて、すごくぜいたくな気分になれて幸せ」と言っていただき、フェイスパウダーとともに愛され続けています。

宮川智旭「ミラノコレクション」商品開発担当(以下、宮川):「ミラノコレクション」のボディーパウダーの特長はなんと言っても肌が美しく仕上がること。肌を明るくカバーする成分のシルクベールパウダーと、さらさらでありながらしっとり感のあるスキンエモリエントオイルを配合しているのでまるでボディを上質なベールで包み込んだような美しい肌仕上がりを演出してくれます。

竹之内:粉にはこだわりを強くもっており、あまりにも粉が好きすぎて粉体の原料である石ですら好きだという研究員がいたりと、研究所には“粉オタク”が大勢います。そうした研究員の熱意で積み上げてきた粉体技術を応用して商品化しました。

宮川:「ミラノコレクション」らしい仕上がりを突き詰めた粉体技術なので、20年に一度刷新しましたが、ボディーパウダーの仕上がりの特長は崩してはいけない基本骨格みたいなものがありますよね。香りも同様にこだわり、天然精油を配合しています。天然精油は“神さまからの贈り物”と言われていて、奥深く本格的な香りが特長です。ベースのローズの香りに加え、今回は桃の花から抽出した香りがポイントです。桃の花は、充実した果実を作るために花が咲いた後に剪定して廃棄してしまうのですが、香りは梅に少し似ていて優しく芳しいのです。今回は本来廃棄されてしまうその桃の花を原料に、精油化できないかと研究し採用した非常にエコロジカルな香りでもあります。

柴田薫子「ミラノコレクション」PR担当(以下、柴田):以前、研究員から「ミラノコレクション」は「伝統を守り抜くことが美学」という言葉を伺いました。トレンドを追うのではなく、これまでお客さまに愛されたものを変えずに、そのまま受け継いでいくことを大切にしていますね。

美術品のような
気品あるデザインのこだわり

WWD:毎年変化するパッケージデザインが特長で、テーマを決めてから天使をモチーフにしたデザイン制作を毎回行っているが、これまで反響があったデザインは?

竹之内:フェイスパウダーとボディーパウダーは中央部にあるレリーフに同じデザインを使っていますが、フレームのデザインは変えているので見比べながら楽しんでいただけています。これまで反響があったデザインは、フェイスパウダーが誕生30周年のタイミングでリニューアル発売した、20年の「守る幸せ」をテーマに掲げたデザインです。レリーフにあしらわれている天使のデザインがテーマの「守る幸せ」に合わせて、2人の天使がウサギを真ん中で抱っこしてるように見えるようにしました。天使の周りにいる鳥以外で初めて動物を入れたデザインだったので、新鮮だったのか「かわいい」と反響いただきました。それまではシンプルなデザインだったのですが、20年からはゴージャスなイメージに刷新し、これまで以上にテーマと連動した世界観やストーリー性を感じていただけるようにしたので、より共感していただけていると感じています。

WWD:その美しさから“観賞用”と“使う用”に複数購入するファンも多い。

竹之内:お客さまから寄せられたご意見の中に、記念日にご主人が奥さまのために、歴代の「ミラノコレクション」のコレクションボードを手作りしたという、すごく心温まるエピソードがありました。また「ミラノコレクション」はブランド担当以外の社員にもファンが多く、このコンパクトのデザインのウエディングケーキを特注した強者もいたほどです。コレクション性の高いデザインで、毎年新しい取り組みやデザインの変化性を持たせてはいますが、やり過ぎるとイメージからかけ離れてしまうのでバランスを大切にしています。

2022年のテーマは「願う幸せ」

WWD:「願う幸せ」をテーマにした理由は?

柴田:今、世界的に環境問題や災害、病気など不安定な日々が続いています。そういった日々の中でも、周りにいる人と手を取り合い、前向きに未来の幸せを願ってほしいという思いを込めて「願う幸せ」のテーマにしました。実はパッケージの天面とレリーフに施された守護天使も、上を見て未来の幸せを願う様子を表現しているので、天使にも注目していただけると嬉しいです。

WWD:22年のパッケージデザインのこだわりは?

宮川:22年は初めてビジューをあしらいました。フェイスパウダーは、まばゆく輝く光をイメージしたビビットな紫のビジューを採用しましたが、ボディーパウダーは、もう少し優しく、温かい光が降り注ぐイメージで作りました。フェイスパウダーと比べると、ボディーパウダーのほうを柔らかいイメージに仕上げています。また、透明感のあるカッティングが入っているので、あたたかい光がビジューに当たるときらきらと光るように表現しています。紫色を使ったのも今回が初めてです。この天面のレリーフもポイントで、すごく細いゴールドのレリーフがあしらわれており、これが本当に難しい技術でして。「ミラノコレクション」は、約2年をかけてデザインから開発していますが、研究員や職人の技術を掛け合わせ、何回も打ち合わせをして話し合いやっと実現できました。

おうち時間を
ぜいたくに過ごせる使い方

WWD:ボディーパウダーのおすすめの使い方は?

宮川:ボディーパウダーは顔にも使える品質なので、マスクをしていても香りを楽しみたいという需要にマッチしています。マスクを付ける前に顔まわりの気になる部分に少しはたいていただくと、ふわっと優しい香りが広がり、マスクの中に心地よい香りが立つので新しい使い方としておすすめです。ボディーパウダーならではの優しい香りで気分をリフレッシュしていただきたいです。

柴田:夏場は特にタイツやストッキングを履くときに汗をかいてると、すっと履くことができないという悩みがあったのですが、先にボディーパウダーを塗ってさらさらにすると、スムーズに履くことができるので重宝しています。足の蒸れとかも気にならなくなるので、ブーツを履く機会が多くなる冬場でも活躍し、1年を通して心地よい肌をキープしてくれます。

竹之内:私は運動が好きなので、日焼け止めを塗った後にボディーパウダーをはたくとベタつきも抑えられて、いい香りをまとうことができるので一番好きな使い方です。お客さまからは、「寝る前に使うと良い香りでリラックスできる」と言っていただくことも多いです。ボディーパウダーはシーンを選ばずに様々な使い方ができますので、ご自身の好きなように自由に使っていただき、「ミラノコレクション」の良さに気づいていただけるようにアプローチしていきたいです。ボディーパウダーは22年のコレクションが最後となりますが、評判の良かったこの香りをフェイスパウダーでも生かせるように構想しています。初代から使っていただいているお客さまにはもっと喜んでいただけるような製品に、新しいお客さまにも長く愛していただけるように、その期待に応えられるブランドへと成長させていきたいです。

PHOTO:NOBUHIRO TAMAKOSHI
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