サステナブルなモノ作りとビジネスへシフトしたい、でも何から始めてよいかわからない。本連載はそんな迷えるアパレル企業の指針となるべく、サステナビリティ・シフトを進める先行企業の実践例や、最近シフトを始めて試行錯誤する企業の声や課題を集めた。これを読めば“できることから”の答は、今までやってきたことの中にあることがわかるだろう。第7回は話題のアダストリアだ。
アダストリアは、「人を輝かせる」「環境を守る」「地域と成長する」の3つをCSRの重点テーマに定め、多角的にサステナビリティ・シフトを進めている。その具体的な取り組みは、「働き方改革」「サプライチェーンの管理」「もの作りにおける環境への配慮」「適時・適価・適量を方針にファッションロス最小化と残在庫の活用」の4軸だ。
1つ目の“人を輝かせる”ことに焦点を当てた「働き方改革」では、5月に新静岡セノバとの協業で始動した「ささえあう 働く時間プロジェクト」が業界で話題を呼んだ。個々のテナントがコアタイムを設定し、開店・閉店時間を設定できる“営業時間フレックスタイム制”は、開始から4カ月で早くも売り上げに好影響が出始めているという。福田泰己アダストリア取締役は、「フレックスタイム制を取り入れている店舗の方が、前年よりも売り上げが伸びている。他業種でテレワークが進んでいても、アパレル小売業は店舗がメイン。企業理念にも“なくてはならぬ人となれ、なくてはならぬ企業であれ”とあるように、当社の軸は“人”。『アダストリア』なら働きたいと思ってもらえる企業を目指す志が結実して、プロジェクト発足につながった」と手応えを感じている。
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