TSIホールディングスの2021年3〜8月期連結業績は、本業のもうけを示す営業損益が11億円の黒字だった。前年同期の104億円の赤字から転換し、同期間としては4期ぶりの営業黒字になった。アパレル販売の回復ペースは遅れているものの、商品の仕入れを抑えて値引き販売を少なくしたことで、粗利益が111億円も回復した。「パーリーゲイツ」を主力としたゴルフウエアの販売も好調だった。
売上高は前年同期比15.1%増の647億円。コロナ前の前々期比(19年3〜8月期比)では20.9%減だった。売上高の戻りは遅いが、一連のコスト構造改革によって収益性は改善された。商品仕入れを約15%抑えるとともに、昨年の店舗休業によって販売機会を失っていた商品を定価販売するなど、値引き販売を減らした。前期に実施した不採算事業や人員の整理によって販管費も99億円減らした。粗利益率の改善と、販管費率の抑制によって利益は計画を上回った。
事業別で売上高への貢献度が高かったのがゴルフ事業およびストリート事業だった。密にならないレジャーとして注目されたゴルフ事業は、「パーリーゲイツ」「ニューバランスゴルフ」など5ブランドの売上高が前々期比で約2割増の110億円だった。「ハフ」「ステューシー」「アンディフィーテッド」のストリート事業も売上高が前々期比で約1割増の80億円になった。一方で同社の最大事業である「ナノ・ユニバース」の販売は苦戦している。