中国市場では、消費者の化粧品成分への興味関心が高まっている。北京維恩コンサルティングが発表したデータによると、消費者の45%が化粧品成分の知識を持つ。成分に注目する消費者群は「成分党」と呼ばれ、増加傾向にある。新たな流行や規制も多い化粧品成分の、最近の動きを紹介する。
今年、特に注目を受けたのが大麻由来成分のカンナビジオール(CBD)だ。抗炎症作用、抗酸化作用が評価されて2019年ごろからトレンドとなり、18年には18製品しかなかったCBD使用の登録化粧品は、昨年は1783まで増えた。CBD製品の人気により台頭する新興の中国国産ブランドも増加し、投資家も注目。CBD製品を主力とする「カンナフィーバー(CANNAFEVER)」は昨年末にプレAラウンドで1000万元(1億7000万円)の資金調達を行った。
しかし3月に国家薬品監督管理局(NMPA)がCBDを使用禁止成分に定めると、5月末までに大麻種子や種子油、大麻の葉エキスまで全面禁止。主力製品にCBDを使用するブランドは別ラインに舵を切ることになった。
また直近では、幹細胞化粧品が規制対象となった。NMPAは9月に「幹細胞化粧品は誤りだ」と記事を掲出し、「保健省が提出した幹細胞の臨床研究では、美容とアンチエイジングの幹細胞に関する研究はない」と伝えた。既にSNSアプリ小紅書(RED)でも幹細胞化粧品に関する検索には警告文が表示され、製品販売も停止している。
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