三陽商会の2021年3〜8月期連結業績は、本業のもうけを示す営業損益が20億円の赤字だった。前年同期の57億円の赤字に比べて、損失幅は小さくなった。不採算事業の撤退などのコスト構造改革の成果は見られるものの、主力販路である百貨店の回復遅れが足を引っ張っている。
売上高は前期比7.2%増の164億円だった。前年の実績は上回ったものの、緊急事態宣言が想定よりも長引いたことで当初計画の181億円には届かなかった。衣料品の販売が足踏みする中でも、仕入れの抑制や、人員整理や退店などの合理化策による販管費の削減が寄与して、営業赤字は当初計画よりも改善した。純損益も19億円の赤字(前年同期は66億円の赤字)で、こちらも当初計画に比べて上振れした。
22年2月期の通期予想は、売上高が同9.4%増の415億円、営業損益が1億円の黒字、純損益はトントンを見込む。“バーバリーショック”以降、6年ぶりの営業黒字を目指す。