ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、「クリーンビューティ」の進化にまつわる話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
オーガニックコスメ「シゲタ」が丸紅と資本提携 アジア市場進出を推進
米国で熱戦を繰り広げる2大化粧品専門店、セフォラvsウルタ
パンデミックを経て健康志向が高まる中、「クリーンビューティ」が好調だ。米国が発祥のクリーンビューティという言葉に厳格な定義はないが、この言葉が登場した2010年代初頭は、「肌や身体に有害な成分を排除した安心して使えるアイテム」という意味合いが強かった。
グウィネス・パルトロウが08年にスタートした「グープ」は、「健康に有害な成分を含まない」独自の基準で化粧品や食品を扱うキュレーションショップとして成長。また、13年に当時主婦だったティファニー・マスターソンが、長年悩まされた肌トラブルを改善すべく立ちあげたのが「ドランク エレファント」だ。自身の肌トラブルの原因だった6つの成分(精油、アルコール、シリコーン、紫外線吸収剤、香料/色素、界面活性剤)を排除したブランドとして知られる。どちらも、「自然由来や天然だから肌に優しいわけではない」という考え方だ。
背景には、米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)による化粧品成分の規制がEUや日本に比べて緩く、パーソナルケア製品に関してEUでは1400項目の化学成分の使用を禁止しているものの、米国の規制はわずか30項目という状況もあった。最近ではそこにナチュラル、オーガニック、ビーガンといった要素をもって「クリーンビューティ」を掲げるD2Cブランドが増え、その定義が広がっている。
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