2022年春夏シーズン、デザイナーは力強く未来や希望を語り、「もうすぐ再開できる」ではなく、「もう新しい時代に向けて歩き始めている」という力強さを発信した。それぞれのデザイナーの言葉を、象徴するキールックと共にお届けする。
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」
ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)
私達は後退するのではなく、前進すべき。過去なくして、明るい未来はない。パンデミックを空虚な1年半と捉えるのではなく意義ある時間にするためには、過去からの学びが必要だ。1年半が大変困難な時間だった分、今季は、日常の復活と再会をみんなで祝いたい。「ヴァレンティノ」を日常という次の次元へと昇華させるためにも、過去に使った会場や歴史的建造物ではなく、日常を感じられる新しい場所でショーを開いた。今季の着想源は、たった一つ。「ヴァレンティノ」の歴史だ。創業者のヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)は60年代に若者との関係を強め、時代の変化をリードした。今、メゾンが目指すべきことだ。5つのアーカイブを忠実に蘇らせ、私自身が80年代に所有していた「ヴァレンティノ」のジーンズも復刻させた。
“ランデヴー”をテーマに、再会と新たな出会いに期待を込めた。未来へ前進するためメゾンの歴史を辿り、アーカイブを復刻させた。コントラストを利かせたアクリルカラーで日常の復活に祝杯を挙げる。
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