繊維商社の田村駒は7日、漁網のリサイクルナイロン生地「GNB」で、社内で調査した結果、国内で回収した漁網が使用されていなかったことが判明したと発表した。また、すでに同社を通じて取引先などに供給した「GNB」についても、紡績工場から漁網の原料使用への報告を受けられていないこともわかったという。同社は「GNB」の取扱を一旦中断し、すでにバッグ類などで販売している商品については、返金や返品などの対応を行う。
「GNB」は、海洋汚染の原因の一つと言われる廃棄漁網を回収し、リサイクするとともに、売り上げの1%を海洋保全活動の寄付に投じていた。同社によると、「中国の協力工場に提供した国内の回収漁網は、技術的な問題から現在まで製造された『GNB』の生地の原料として使用されていなかった」という。また、現在まで製造された「GNB」生地についても、「中国の仕入先と生地を製織するテキスタイルメーカーからは使用しているという報告を受けていたが、前工程を担う中国の紡績工場から漁網の原料使用について現在まで報告を受けられていない」という。
「GNB」を使った製品はアダストリアの「ニコアンド(NIKO AND...)」やクラウドファンディングサイト「マクアケ」で田村駒自身がエコバッグとして販売していた。すでにアダストリアは自社のサイトで返金対応の告知を行っている。