ゴールドウインは10月9日、北海道・知床半島の北側に位置する斜里町と、地域活性化に関する包括連携協定を結んだ。“アウトドアを、文化に”を理念に、世界遺産・知床国立公園の魅力向上や子ども向け自然体験の充実、自然と共生するサステナブルな社会実現などを目指す。同日、知床国立公園内のビジターセンター「知床自然センター」で調定式を行い、渡辺貴生ゴールドウイン社長や馬場隆・斜里町長が登壇した。写真家の石川直樹をはじめ、両者の連携に携わってきたクリエイター・関係者も多く参加した。
同社と斜里町は、2018年に事業連携を開始。ゴールドウインのマリン&アウトドアブランド「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」のワークウエアを地元漁業に提供する連携事業を皮切りに、自然保全イベントなどを実施してきた。19年には、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と「ヘリーハンセン」の複合店を「知床自然センター」に開いている。今回の包括連携は「より密接で多角的な事業連携のため」(渡辺社長)、締結に至ったという。期間は26年3月末までで、その後5年ごとに継続させるかを判断する。
渡辺社長は「われわれは40年間、アウトドアとスポーツを軸にしてきた。知床の自然を保全し、共生する価値を伝えるのはわれわれの使命だ。特に子どもの可能性を引き出す体験とひらめきを提供し、それらを積み上げ、自然を思いやる心を育てていきたい。まずは4年半の契約だが、末長くお付き合いしていきたい」と語った。馬場町長は、「若者をはじめ多くの人に支持されるブランドが町にあることは、住民の誇りにつながっている。また知床国立公園は世界遺産でありながら、町の中心地から離れた場所にあり、地域住民さえ足を運ばない場所だった。そこに店ができ、さまざまなイベントを行ってきたことで、住民にとっても日常的な場所になった」と連携事業の成果を振り返った。今後については「自然保全事業や新たなアクティビティ開発などを通し、さらに斜里町の魅力を高め、世界に通用する町にしたい」と期待した。