「ブーツが売れている」「今年こそブーツ復活の予感」。そんな声がウィメンズのマーケットで広がっている。百貨店の靴平場でも、ファストファッションブランドでも、秋物の立ち上がりでとにかくブーツが売れているという。売れ筋は、トレンドセッターの「ボッテガ・ヴェネタ (BOTTEGA VENETA)」が2年前から提案しているような、サイドゴアなどの厚底ショートブーツ。ロングブーツをミニスカートに合わせたスタイルも原宿や渋谷では昨年から徐々に見かけるようになったが、ボリュームの売れ筋はショート丈だ。数年前からおしゃれ好きの間で広がっていた白ブーツも、今年はより幅広い層に支持されている。
百貨店向けの婦人靴メーカー・卸のオギツでは、「モード・エ・ジャコモ(MODE ET JACOMO)」で8月末からブーツが売れている。「動き出しは例年より1カ月は早い。通常は10月上旬ではブーツの売り上げは全体の2割ほどだが、今年は既に3割がブーツになっている」と同ブランドの担当者は話す。婦人靴メーカーではパンプスの不調が近年の悩みの種。春夏はパンプスに代えてサンダルの打ち出しを早めるなど策を講じているが、今秋冬はパンプスに比べ単価の高いブーツが動いていることで、売り上げにも貢献している。
売れ筋はショート丈の厚底サイドゴアブーツ(税込3万1900円)。黒や茶が中心だが、白も例年より動きがいい。もちろんロングブーツも企画しているが、「ひざ上丈のニーハイブーツにはやや動きがあるが、通常のロングは売れているという実感はない」。ただし、売れ筋のサイドゴアも、「筒の部分は昨年に比べると長くなっている」という。
ブーツ復活について話を振ると、「そこまでの勢いになるかはまだ分からない」としつつも、「期待はしている」と続ける。「おしゃれ好きの先行層に早い時期から売れたということは、気温が下がれば、もっと幅広い層も買い始めるはずだ」。
旬のトレンドファッションをそろえる「ジーユー(GU)」でも、「ブーツの動きが非常にいい」と広報担当者。ショート〜ミドル丈のブーツをさまざまなデザインでそろえている点が支持されているといい、売れ筋には厚底のサイドゴア(3990円)が含まれる。「ベーシックカラーだけでなく、今年は白ブーツの動きがいい」というのも「モード・エ・ジャコモ」と同様。ストレッチ素材のスクエアトウの白いショートブーツは2990円。「本革の白ブーツは汚れも目立つため挑戦できないという人も、この価格だからこそ楽しんでいただけているのでは」という。