スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明社長に聞く連載。手軽に二次流通でスニーカーを売れるようになり、誰でも転売ヤーになれる時代。とりあえず、スニーカーに手を出して買ったはいいものの、最近は定価以上で売れずに泣く泣く“損切り”する人も増えてきた。損切りしたくなければキャンセルや返品をするしかないのだけど、その分は後日リストック(再入荷)として販売される。今回はリストックから分かるスニーカー市場の話。(この記事はWWDジャパン2021年9月6日号からの抜粋です)
本明秀文社長(以下、本明):「ナイキ(NIKE)」は最近、自分たちのECで量を売り過ぎて売り切れなくなってきたよね。
――今日もちょうど朝からリストックしていますね。「アンストリート(UNSTREET)」というアプリなんですけど、「SNKRS(スニーカーズ)」にリストックされる度に通知が届くんです。
本明:すごいね。この2時間で30件ぐらいリストックしている。毎日通知が来るの?
――はい、毎日来ます。ほかにも類似のサービスはたくさんあるみたいですけど。
本明:今、スポーツブランドのアパレルが売れない。「ナイキ」もアパレルが売れないからその分をスニーカーで補填する。そのスニーカーの中にも売れ筋とそうじゃないものの2種類があって、これまで売れ筋はブランディングのために数量を絞っていたんだけど、今は売り上げを作るために売れ筋をいっぱい積んでいる。小売りに卸す前に先行販売で売ったり、国内で万足単位の数量を売ったりしているんじゃないかな。
――先行販売の段階で出品されるので、量が多いものは発売前から定価割れすることもあります。その段階で、売り切れない予想はできますね。今「SNKRS」にリストックしている商品もリセールの方が安いものがほとんどです。
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