「芸人にとってベストな発表の場はファッションショーだ」。――そう語るのは芸人・パフォーマーのぼく脳だ。ぼく脳は、「ダメージを受けすぎて死んだダメージデニム」や「値札とバッグが逆転したバッグ」など、奇想天外なファッションアイテムをSNSを中心にドロップし、話題を集めている。そのユーモアとセンスは、一部では“SNS界のマルジェラ”との評価を得ているとか、いないとか………。
WWD:キャリアのスタートは?
ぼく脳:高校卒業後、先輩に誘われて吉本興業に入りました。結局その先輩は鍼灸の資格を取るので吉本には来ず、1人で活動することになりました。1年ほど芸人として活動した後はインターネットで漫画を描いたり、バンド活動をしたりもしました。バンドのメンバーは約20人で楽器はサックスのみ。パソコンで打ち込みを流して、ほかのメンバーはテキトーに騒ぐみたいな結構過激なやつです(笑)。でも、比較的大きなフェスにも出演しましたよ。
WWD:アーティスト名“ぼく脳”の由来は?
ぼく脳:確か「ミクシー」の名前を決めようと思った日に、たまたま「ぼくの脳を返して」という本が手元にあり、そこから取りました。特に深い意味はありません。そろそろ変えたいです。
WWD:服を作りはじめたきっかけは?
ぼく脳:20歳ごろから芸人のグッズとしてTシャツを作り始め、ツイッターや展示会などで販売していました。僕の作品は、あるあるネタを裏切るものが多いので、特に服は裏切りやすく、面白いものが作りやすい。この前、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が「グッチ(GUCCI)」のバッグに“This Is Not a Gucci Bag”と描いたバッグを発表しました。僕はそのバッグをトートバッグにプリントして、“This Is Not a Balenciaga Bag”と上から書いてオリジナルのバッグを作りました。なんでファッションの人ってこんなにボケるのが上手なんだろうって思います。
WWD:服のあるあるネタが分かるということは、もともと服が好き?
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