パルグループホールディングス(HD)の2021年3〜8月期は、売上高が前年同期比39.9%増の631億円、営業損益が28億円の黒字(前期同期は17億円の赤字)、経常損益が27億円の黒字(同19億円の赤字)、純損益は14億円の黒字(同15億円の赤字)だった。EC(ネット通販)拡大のコストを大幅に抑制できたことで、従来予想の利益を5割以上上回った。期末店舗数は12店舗減の920店舗だった。
売上高はコロナ前の19年3〜8月期の669億円の水準には戻らないものの、長期化した緊急事態宣言の中では急回復を見せている。既存店売上高は店舗とECの合計が同61.6%増、店舗のみが同125.6%増、ECのみが同30.7%増だった。
EC売上高は同40.2%増の151億円。EC化率は38%で過去最高を記録した。とくに自社サイト「パルクローゼット」の売上高は同58.1%増の54億円に拡大した。アプリ会員も8月末で500万人を突破した。
セグメント別売上高では、衣料事業が同24.2%増の398億円、雑貨事業が同78.3%増の233億円。巣ごもり需要を捉えた雑貨ブランド「スリーコインズ」の売上高が同83.8%増の187億円と急伸し、店舗全体の減収分をカバーした。雑貨事業の営業利益は前期同期比8倍の25億円と大きく伸ばした。「スリーコインズ」の店舗の大型化をスピーディーに進めたことや価格帯を300円一本から拡大し、軽家電商品の取り扱いを増やしたこと、ECを開始したことが挙げられる。
「食料品やキャンプ用品も含め、新たなラインアップで集客力を高められた。スリーコインズ事業は一段階ステージがアップしたことから、通期(22年2月期)売上高は前年より100億円増えて、360億円を突破する勢い」(常務執行役員経営企画室長・為田招志氏)という。
今中間期業績について井上英隆会長は「昨年は20億円の赤字だったが、今期は夏物が苦戦したにもかかわらず、28億円の利益(営業利益)を出せた。よく健闘したと思う」と振り返った。
通期の業績予想は、個人消費の本格回復までに一定期間必要になるとの判断から、売上高は当初予想より30億円減の1310億円に下方修正した。営業利益は74億円、経常利益は71億円、純利益は39億円、年間配当金は50円を予定している。