ファッションや食品関係など異業種からの化粧品業界参入が増えているが、化粧品を作る上でまず立ちはだかる壁となるのが「どこに頼んだら良いのか分からない」「製造業社がありすぎて選べない」といったOEM関連の悩みだ。さらに最近はD2Cブランドやインフルエンサーからの依頼が増えており、費用を抑えて在庫を抱えずに済む1000個未満の小ロット製造ニーズは高いにもかかわらず、対応可能なOEMを探すのは決して楽ではない。
業界内ですでに生産に携わっている人たちの中でも、悩みや疑問を個人で抱え込んだり社内だけで解決しようとしたり、外には相談しづらいという問題もある。そんな生産に関する悩みを解決し、化粧品業界参入のハードルを下げるサポートとしていま増えているのがBtoB向けの“マッチング”プラットフォームだ。最小ロット100個から製造、専門業者からのアドバイスや応答可能、8万件以上の製品データベースがそろう、海外展開を見据えた貿易業務のアドバイスなど、各プラットフォームの特徴を紹介する。(この記事はWWDジャパン2021年11月1日号から加筆しています)
化粧品製造の門戸を開放、化粧品ビジネスプラットフォーム「ベンテン」の狙いとは
「ベンテン(Benten)」は化粧品ビジネスに関するあらゆる種の悩み事を解決するためのプラットフォームだ。化粧品製造や販売に関する質問、依頼を投稿することで受注者と発注者をマッチングする質問機能や、各種専門家に仕事や相談依頼をする業務マッチング機能、化粧品関連企業が8000社以上のデータベース「化粧品展示会EXPO」など、幅広く機能を揃える。OEMだけでなく、薬事チェックの専門家やデジタルマーケティングのプロまで幅広い企業と出会うことができる。
植村元・コガネスタジオ(Cogane studio)代表はオーガニック、ナチュラルコスメ専門の化粧品メーカー出身で、スキンケアやコスメ、ヘアケアなどの処方開発や製造、薬事業務を約10年間経験してきた。その中で、保守的な化粧品業界の悩みを多く感じてきたという。
「化粧品業界は悩みを自社で抱え込む傾向があると感じた。なじみの業者に聞く、社内で考えて答えが出てこないということも多いが、社外を探せば答えがあるはずだと感じた。そこで、外に聞く仕組みがあればいいと考えた」と植村代表。以前は似たようなサイトがあり業界で活用されたが運営が止まり、今の時代に合う形に作られたサービスとして「ベンテン」を2019年11月にリリースした。
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