アッシュ・ぺー・フランスは10月21〜23日、東京・新宿の新宿住友ビル三角広場で、ファッションやビューティ、アートなどの合同展示会「ルームス(rooms)」を行っている。今年3月に予定していた同展は、コロナ拡大を受けて会場での開催を見送り、オンライン展示会プラットフォームのみでの開催となった。1年ぶりとなったリアルでの開催には約250ブランドが出展し、新規ブランドを探す地方専門店のバイヤーなどが詰めかけた。
初日の21日の来場者数は5000人弱だったという。「人の入りは想定に比べて良すぎるといってもいい。特に地方店のバイヤーの来場が目立ち、出展者からの聞き取りでは『今すぐ買いたい』というほど来場者の買い付け意欲は高い」と話すのは、同展の渡邊睦コンセプターだ。コロナ禍で約1年半の間、国内にも海外にも買い付けに行けていないバイヤーが積極的に新規ブランドを探している。「既に取り扱いのあるブランドはオンライン展示会でも発注しやすいが、新規ブランドはオンラインではやはり買い付けが難しいようだ」。
エリア別では、サステナブル、SDGsといった時流ともつながり、「ルームス」が5年以上前から打ち出してきた「エシカル(ETHICAL)」ゾーンが盛況。また、今回から新たに設けた「ディアミー(DEAR ME)」ゾーンも人を集めている。「ステイホーム期間中は、これからはサステナブルな暮らしでなければいけないと必要以上に強く自省したり、自由な判断ができなくてストレスを感じたりする人が多かったと思う。その一方、意識が自身の内面に向かったことで、クリエイターはモノ作りが進んだ部分もある。それらを外に出していく場が必要と考え、新エリアを作った」と渡邊コンセプター。新エリアには「エシカル」ゾーンと近しいオーガニックコスメブランドなども出展しているが、「自分の心と体にとって気持ちいい点を重視している」点が特徴だ。
コロナ禍による出展キャンセルも一部あったが、「10万円で出展できる小規模スペースを用意したことなどもあって、出展者を集めることにも苦労はなかった」という。ファッション関連の大型展示会は「ルームス」以外を含めても久しぶりの開催。「来場者の滞留時間も長い。オンライン展示会にも良さはあるが、やはりリアルの展示会は求められている」と手応えを感じている。