モノづくりには長けている地方のメーカーやブランドが日本、そして世界に羽ばたくために必要なのは、消費者とのコミュニケーションだ。to Bのビジネスに依存していたメーカーにとって、独自の技術の何がto Cでも響くのか?そして、それをどう発信すれば良いのか?を思考・実践するのは難しい。そこで、地方メーカーとのプロジェクトが増えているマクアケの、全国を飛び回っている松岡宏治関西支社長にさまざまな事例から学ぶべき地方ブランドの課題と、「マクアケ」を使った解決法を聞いた。
はじめまして、マクアケ関西支社長の松岡宏治です。大阪を拠点に、全国各地に足を伸ばして地方のメーカーの皆様とお話させて頂いています。メーカーの皆様との打ち合わせは毎月50件ほどですが、「マクアケ」に挑戦いただく実行者の皆様との伴走はやりがいに満ちていて、楽しいものばかりです。
当社は2013年にクラウド・ファンディングとしてサービスをスタートしました。14年頃から「新商品を生み出すときに『マクアケ』を使う」という流れが出来はじめました。日本ではクラウドファンディングを「寄付」や「活動資金集め」と理解される方も多くいますが、私たちが地方メーカーの皆様とお話させていただく中で感じたことは、「何かを作るときのお金に困っているのではなく、作った後にどう広げようか困っている」ということでした。
マクアケはビジョンに「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」を掲げています。単に実行者のお金集めをサポートしたいわけではありません。自分たちの作りたい世界と、向き合う実行者の皆様への本質的な価値提供を考えた結果、導き出した自分たちらしい表現が、「アタラシイものや体験の応援購入サービス」という表現でした。「マクアケ」はクラウドファンディングではなく、私たちキュレーターが、新商品や新サービスを世の中に生み出すことに向き合ってきたプロフェッショナルとして実行者の皆様と一緒に伴走し、そのプロジェクトに共感した生活者が購入を通して応援するという仕組みです。
応援購入という手段が、
0次流通を生む
ここ最近、地方のメーカーのアパレルに関するプロジェクトが増えています。それはやはり新型コロナウイルスの影響で、小売業である店舗が休業を余儀なくされ機能しなくなり、サプライチェーンが分断されてしまったことが大きいと考えます。地方のメーカーは、従来通りの販売チャネルだけでは成り立たなくなり、自分たちが作った商品を生活者に届ける方法を新たに模索。結果、「マクアケ」にご相談いただく流れが出来てきました。
今はインターネットが盛んな時代ですが、それでも地方のメーカーが直接生活者に自分たちの商品を届ける手段って意外と少ないんです。もちろん、ECサイトを作り、SNSを活用することで上手に集客されている企業も中にはいますが、多くの人に見に来てもらえるようになるまでは時間と労力がかかります。それに「餅は餅屋」で、出来れば地方メーカーはモノづくりに集中したいですよね。「マクアケ」には常に新しい商品を、応援購入という形で求めている会員が多くいますから、そこで新商品を発表するプロジェクトを実施すれば知ってもらうきっかけにもなります。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。