「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2021年4〜9月決算は、商品取扱高(GMV)が前期比23.6%増の2295億円、売上高が同14.6%増の664億円、営業利益が19.5%増の237億円、経常利益が同19.1%増の237億円、純利益が同18.6%増の165億円だった。業績は好調だったものの、株式市場からは「7〜9月のGMVの伸びが物足りない」(SMBC日興証券の金森都シニアアナリスト)と判断されたもようで10月29日株価は前日から595円下げた3680円(11時30分時点)と大幅に下落した。
主力の「ゾゾタウン」のGMVは同6.8%増と伸びがやや鈍化したものの、親会社のZホールディングスと組んだ「ペイペイモール」での販売が約2倍の191億円と急成長しており、全体を押し上げた。下期はテレビCMの投下やPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」などで広告費がかさむものの、澤田宏太郎社長CEOは「緊急事態宣言の解除でリアル店舗の営業時間短縮が終了しているものの、コロナで伸びたトラフィックにあまり影響はない。下期も成長は続く」という。同日には、リアル店舗支援のためのプラットフォーム「ゾゾモ(ZOZOMO)」、足の3D計測「ZOZOマット」の技術を活用した指輪の計測ツール「ZOZOマット フォー ハンヅ」をラグジュアリーブランドのブルガリと組んでスタートすることなどを発表、本格的なリアル&デジタル支援をスタートする。
GMV比の粗利率は34.4%で前年同期比で0.3ポイントの改善。広告事業の伸びと物流拠点の作業効率の改善に伴う物流関連費用の抑制などがテレビCMやポイントプロモーション費の増加をカバーした。
平均商品単価は同3.5%減の3264円と減少を続けているものの、平均出荷単価は0.3%減の7346円とほぼ横ばいに抑えた。新規ユーザーの増加に伴う低価格商品の購入増は続いているものの、セット買いの増加と「ペイペイモールとゾゾタウンの併用者が予想以上に多く、しかも全体の購入額も増加している」ため。そのため今後も「ペイペイモール」とのコラボレーションを仕掛け、新規ユーザーを取り込む考え。
「ゾゾタウン」の伸びがやや弱含みだった理由については、「東京オリンピック・パラリンピックが予想以上に影響し、『ゾゾタウン』のトラフィックが落ちた。終了後もトラフィックが伸びなかった」という。