主要百貨店5社の2021年10月度の売上高速報が出そろった。緊急事態宣言の解除(10月1日)により売上高・来店客が回復し、各社とも業績を伸ばした。中旬以降の気温の低下により、秋冬衣料も好調だった。
各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が9.5%増、高島屋が5.8%増、そごう・西武が微増、大丸松坂屋百貨店が5.7%増、阪急阪神百貨店が3.8%増。19年との比較でも三越伊勢丹が約10%増、大丸松坂屋百貨店が1.8%増、阪急阪神百貨店が1%増と、コロナ前の水準まで売上高を戻した。
低調だった都心店にも客が戻ってきている。三越伊勢丹は伊勢丹新宿本店が前年同月比12.5%増、三越日本橋本店が同7%増で、19年同月との比較でも両店ともに約1割増。婦人衣料・雑貨が約20%増とけん引しており、「ブルゾンやコートなど重衣料が底上げした」(同社)。阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が19年同月比6%増。婦人服カテゴリーは前年同月比2ケタ増だった。高島屋も日本橋高島屋S.Cが同14.0%増、タカシマヤタイムズスクエア(東京・渋谷)が同12.3%増と大きく伸ばした。