毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2011年11月1日号からの抜粋です)
美濃島:「まだ見ぬ地方ブランドを知ってほしい、もっと成長させたい」という思いから、今回初めて「WWDJAPAN」で公募して、業界関係者へのプレゼン大会を開催したのですが、熱い人たちばかりですごく刺激を受けました。地方からアクションを起こす人は、背負っているものが違うからか、やはり強さがあって。僕も心を動かされたし、そういうのは伝播していく。アクションを起こすことが大事だと思いました。
新関:皆さん、本当に熱かったですよね。熱意あるブランドに共感が集まるわけですが、自分からアクションを起こさない限り始まらない。そのアクションをどこでどう起こすのがいいのか。プレゼンの仕方からパッケージまで、今回の業界関係者からのフィードバックは、地方に限らず、小さいブランドにとって役に立つ内容だと思いました。特にビューティに関して言えば、ストーリー性が求められていること、モノだけでなく、体験できる場があるとファンができやすいという話は納得しました。
美濃島:僕は、その技術や特異性をいかにシンプルな見た目にしていくか、“地方”が前面に出るのではなく、「いいな」と思ったものの背景に地方があるというのが、理想的なんだなと思いました。地方ブランド成功の秘訣として、クラウドファンディング、マクアケ活用術も取材しましたが、ウェブやSNSを自分たちで運用するのではなく、最初からマクアケなどの既存のプラットフォームに出すという選択もあります。東京では一般化してきましたが、まだ地方には浸透していないそうで、もっと広めたいです。
新関:そうですね。後継者問題を聞く機会もあったりして、今回の取材はすごく考えさせられました。私自身、視野が狭くなっていたところがあることに気づけたので、どうやったら応援できるかを考える時間が増えました。
美濃島:メディア側も意識しないといけないですね。目立つところを取り上げがちですが、頑張ってほしいところも取り上げていきたい。今回のプレゼン大会と掲載をきっかけに、何か発展したらうれしいです。今後、山本寛斎事務所の協力で、産地に赴き、そこのビジネスを紹介する連載も開始予定です!