ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、通用しなくなっているセオリーと、それを打破する信念の話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
SNSで人気のコスメ「ミース」経験も広告費もゼロで注文数は月1万超え
66万人待ちの「悟空のきもち」などが大ヒット ゴールデンフィールドの“発想力”に迫る
セオリー通りでないことをいかにやり切るか。最近、このことが頭から離れない。美容業界ではいま、少し前なら予測もできなかったヒットアイテムが生まれている。少なくとも製品企画や開発という点では、ユーザーの価値観の多様化や変化のスピードの速さに、たくさんの会議を経ていくつもの承認を通すやり方では間に合わなくなっているのだ。
インフルエンサーがプロデュースする化粧品ブランドの誕生過程を見ているとよくわかる。インフルエンサーとユーザーは直接つながり、これならユーザーが喜んでくれそうだというひらめきや、自身の直感に従って「化粧品を作ることにした」という宣言が先になることもある。事業計画やマーケティング戦略などを超越し、インフルエンサーのライフスタイルやユーザーとのやりとりの中で出てくる発見やアイデアで本人が発信もする「いける」「作りたい」という強い信念がユーザーを動かすのだ。
最近ではヒカルさんのスキンケアブランド「リザードビューティ」は発売後16時間で1万6000セットを販売し、サブスクリプション登録者は6000人、先行販売した@cosme TOKYOでは1日の販売記録として最高値を出した。男性ファンが7割と言われるヒカルさんだが、購入者の半数が女性という予測していなかった結果にもなった。
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