ワールドが低調が続く主力のブランド事業において人材改革に本腰を入れる。アパレル業界の枠組みにとらわれず、外部の人材を積極的に招へい。グループにないノウハウを生かし、商品企画や店舗運営などの仕組みを再構築する。
同社の2021年4〜9月期連結業績(国際会計基準)はコア営業損益が19億円の赤字(前年同期がは83億円の赤字)で、期初計画の営業黒字11億円は達成できなかった。感染拡大の深刻化により、ブランド事業の営業損益が24億円の赤字(前年同期は152億円の赤字)と、引き続き足を引っ張ったことが要因だ。
5日にオンラインで会見した鈴木信輝社長は「(アパレル事業の不振は)コロナという環境要因のせいだけにはできない。人(社員)、もの(商品)、器(組織)が従来のまま変われていないことも非常に大きい」と話した。構造改革により、昨年9月からの1年間で、既存の従業員は希望退職者からの応募を含め434人減った。今後は外部人材の積極登用に舵を切り、「われわれが常識だと思っていた物の作り方やお店の見せ方などをここで全て一度破壊する。『勝てる組織』に作り替えていきたい」とする。すでに子会社インターキューブの「ドレステリア(DRESSTERIOR)」は、19年に三陽商会から転籍した靏博幸社長の就任以降、商品企画などの見直しが進み、「売り上げはかなり改善傾向にある」。これを好事例に他ブランドでの改革も進める方針だ。
緊急事態宣言の解除(10月1日)以降、ブランド事業の業績は足元では回復傾向にある。だが鈴木社長は「(コロナ禍以前と)同じような服が、同じように売れるわけではない」と気を引き締める。「お客さまのニーズを踏まえた華やかさや機能性などがある服が求められている。ひと工夫、ふた工夫が必要だ」。