ユニクロが地域と取り組む社会貢献活動の一つ「スポGOMI×ユニクロ」が6日、京都市内の京都河原町店でスタートした。
「スポGOMI」は、一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ(日本スポGOMI連盟)が2008年に始めた活動で、「スポーツで街をキレイにする!」をテーマに、従来型のごみ拾い活動にスポーツの要素を取り入れたもの。参加者は3人までのチームにわかれ、制限時間内にあらかじめ定められたエリア内のごみを拾い、ごみの量と質で競い合う。
01年から難民への衣料支援やリサイクル活動に取り組んできたユニクロは、スポGOMIを通じて地域に根差したコミュニティー作りをさらに推し進める。「地域でできることで、なおかつ難しく複雑な環境問題を企業の立場で分かりやすく伝えられないか。昨年スポGOMIと出合い、お客さま参加型のアクションとして面白いと思った。競技という枠組みのなかで環境問題について考えるきっかけを作っていきたい」と、ファーストリテイリングのコーポレート広報部ソーシャルコミュニケーションチームのリーダー、シェルバ英子氏は話す。
たばこの吸い殻、ペットボトル、ビン、缶
地域密着型店舗として2年前にオープンした京都河原町店では、これまでも近隣の学生や伝統工芸の職人とともにフィールドワークや商店街の清掃など地域と連携した活動を行なってきた。今回、ユニクロ主催のスポGOMIに参加したのは、学生から社会人、幼児まで約50人、18チーム。リサイクル素材で作られたオリジナルTシャツを着た参加者たちは、開会式で気合いを入れたあと、町に散らばっていった。
ユニクロの店舗スタッフで、3歳と7歳の女の子と参加した長岡京市の女性は「普段とくに意識しているというわけではないが、楽しそうだからやってみたいと子供が言ったので参加した」。立命館大学の学生チームも「環境問題に少し興味があったのと、こういう機会がなければ、なかなか町のごみ拾いをすることがないから」と話す。
今回の競技時間は30分。ユニクロ京都河原町店を中心に、南北は御池通りから四条通り、東西は烏丸通りから花見小路通りまでのエリア内でごみ拾いを行った。粗大ゴミなどは対象外でペナルティーも設けられている。加算ポイントはたばこの吸い殻、ペットボトル、ビンと缶、燃えるごみ、燃えないごみの順に高く、駐車場やコンビニで吸い殻や空き缶が多く見つかった。
体を動かし汗をかいて環境問題を考える
競技終了後の計量の結果、収拾したごみの総重量は24.52kg。1位を獲得した神戸市内の会社の同期チームは「同期の送別会を兼ねて参加した。駐車場に空き缶が多くてびっくりしたが、楽しかったのでまた参加したい」と感想を述べた。
第2回目はユニクロが20年来、支援している「瀬戸内オリーブ基金」ゆかりの地、香川県のゆめタウン高松で、今月13日に開催する。「まず2店舗でオペレーションや参加者の反応をみながら、来年以降、全国各地に拡大していく」(シェルバ氏)。今冬には、ユニクログローバルブランドアンバサダーの国枝慎吾選手をゲストに迎えたイベントも開催する予定だ。
日本スポGOMI連盟の馬見塚健一代表は、活動の狙いを「地域の環境美化を人任せにせず、自分たちの汗と情熱で解決するため」という。年間800万tのプラスチックごみの8割は、陸の生活ごみが河川を通じて海に流れ込んだものといわれている。海洋ごみ問題は他国の問題だと思いだちだが、「一人ひとりが意識することが大切。スポGOMIに参加することで、自分たちの生活とつながっていることを感じてほしい」と話している。