世界最大級のデニム生地メーカー、イスコ(ISKO)が香港の研究機関エイチケーリタ(HKRITA)とのパートナーシップを締結し、エイチケーリタの「グリーンマシーン」とライセンス契約を結んだことを発表した。
エイチケーリタの「グリーンマシーン」は、従来は難しかったコットンとポリエステルの混紡生地の分解を、効率性の高い水加熱処理法によって行うというもの。水と熱、そして生分解可能なグリーンケミカル(無公害薬品)のみを使用して綿をセルロースパウダーに分解することで、ポリエステル繊維を分離させることができる。3つの原料のみを繰り返して使用するクローズドループで二次汚染を引き起こすこともない。このテクノロジーでのリサイクル素材の生成はポリエステル繊維にダメージを与えないため本来の品質を維持することができ、また有害物質を含まないセルロースパウダーもさまざまな用途に使用すべく開発が進んでいる。「グリーンマシーン」は現在パイロット段階だが、今後関連技術の開発も共同で実施予定だ。
イスコはまた、リサイクル素材を最低50%以上混合した「イスコ・アールトゥー・フィフティプラス(ISKO R-TWO™ 50+)」テクノロジーも発表。通常の紡糸過程で損失となる約10%の「落ち綿」と呼ばれる綿を再利用し、そこにリサイクルポリエステルをブレンドして生地を織り上げる。同テクノロジーでは二酸化炭素の排出量を最大45%、水の使用量を最大65%削減することができる。