「WWDJAPAN」11月8日号は、販売員特集だ。今回、特集の監修を依頼した販売員取材歴20年のライター苫米地香織に、取材を終えての感想を聞いた。
2020年4月以降、商業施設はまともな営業をすることができなかった。私は緊急事態宣言中も、ライフワークである販売員取材のため店頭に足を運んでいたが、商業施設を歩く人はまばらで、販売員も「そもそも人がおらず、売りたくても売れない」と苦笑いしていた。過去に取材した販売員の中には「転職した」という人もいた。キャリアを持ち、“できる人”ほど、早々と見切りを付けている印象だった。店頭は疲弊している。そう感じた。
現場の販売員に本部のことを聞くと、本部には本部の事情があることは理解しつつも、「さまざまな仕事を押し付けられて接客する時間がない」「入荷のタイミングが悪く、品出ししている暇がない」といった不満を耳にする。そんな中、マッシュスタイルラボの「スナイデル」担当課長、横内真由美さんの取材では、“本部の支えが、優秀な販売員をより輝かせる”と再認識した。本部と店舗をつなぐ営業やマネジャー職は文字通りの要石で、ショップスタッフに対するきめ細やかな対応に「スナイデル」の強さを見た。これにならい、店頭が円滑に“自転”するために、あらためて現場と本部の声をすり合わせてはどうだろう。
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