ミズノの2021年4〜9月期連結決算は、売上高が前年同期比28.4%増の851億円、営業損益は56億円の黒字(前年同期は9億円の赤字)、純利益は前年同期の1億円から43億円に増えた。新型コロナウイルスの影響を大きく受けた前年の反動によって全カテゴリーで大幅増収になった。コスト削減施策が定着し、販管費率が2.3ポイント下がったため、営業利益は過去最高額となった。
国内の売上高は同20%増の543億円。緊急事態宣言の影響で、部活動や地域スポーツ活動の屋内スポーツは苦戦したが、ランニングやゴルフ、サッカー、野球など屋外スポーツは回復した。
新たなカテゴリーも伸びた。スポーツの知見を一般生活市場に活用するライフスタイルカテゴリーでは、コロナ禍における室内での運動ニーズに対応したインテリア“ミズノヘルシーインテリア”やスポーツ素材を使ったマウスカバー、通称“ミズノマスク”、高反発シューズ素材“ミズノエナジー(MIZUNO ENERGY)”搭載のウオーキングシューズ“エムイー(ME)”シリーズなどがヒットした。企業向けにユニホームやシューズを提供するワークビジネス事業は、取引先が700を突破するなど順調に成長した。
海外市場も全て増収となった。米州の売上高は、同48%増の124億円。利益率の高いゴルフクラブがよく動いたほか、利益体質の強化が進み、営業利益は同期過去最高の18億円となった。欧州の売上高は同44%増の96億円。ランニングシューズがけん引した。アジア・オセアニアの売上高は、同46%増の88億円。韓国をはじめ、コロナの影響を強く受ける国もあったが、オーストラリアやニュージーランド、台湾を中心にランニングがよく動き、苦戦分をカバーした。
無観客開催となった東京オリンピック・パラリンピックについて、水野明人社長は「開催国として無観客は残念だった。しかし、世界の99%の人は映像で応援する。今大会は、われわれがサポートする国内外の選手が多く活躍し、ブランドイメージ向上に大きく寄与したと考えている」と述べた。ベトナムのロックダウンなどによるサプライチェーンの影響は、「売上高ベースで最悪20億〜30億円のマイナスは覚悟している」とした上で、「そうならないよう、生産・納品調整に尽力している」と説明した。