WWDJAPANは11月24日、ファッションやビューティ分野のリーダーたちを招いて無料オンラインイベント「WWDJAPANサステナビリティ・サミット」を開催する。2回目となる今年のテーマは「近未来のファッション」。デザイナー×研究者など他では見られない組み合わせでファッションのこれからについて議論を交わす。そこからはどんな未来が飛び出すのか!?セッション3「循環型ファッションって何?」の見どころについて企画担当者が解説する。
向千鶴WWDJAPAN編集統括サステナビリティ・ディレクター(以下、向):セッション3のテーマ「循環型ファッションって何?」は本セッション担当の木村さんの提案です。このテーマを選んだ理由は?
木村和花WWDJAPAN記者(以下、木村):まず、サミットの大きなテーマである「近未来のファッション」を議論するときに、未来の業界を動かす当事者世代が意見を発する場を作りたいと思いました。多くの業界の方が「Z世代って何を買っているの?」が気になるところだと思いますが、私は消費者としてのZ世代ではなく、業界全体が持続可能になる仕組みをどのように構築できるかという議論に彼らの意見を取り入れることに意味があると思い、このテーマを選びました。
向:なるほど。消費者としてのZ世代はメディアで取り上げられることも多いけれど、より踏み込んだ議論に参加してもらうのは業界メディアであるWWDJAPANならでは。登壇者のひとり、SWiTCHの佐座槙苗代表理事は木村さんと同じZ世代です。英国グラスゴーで開かれたCOP26にも日本代表で参加したとか。すごいわ~。どんな活動をしている方で、なぜ彼女に登壇依頼したのですか?
木村:彼女は、私が担当している連載企画「Youth in focus」にも登場していただきました。カナダやイギリスでサステナビリティについて学びを深め、環境問題に声を上げる世界の若者たちが昨年COP26の疑似版として開催した「モックCOP26」に、グローバルコーディネーターとして参加した経験もあります。そんなグローバルで環境問題に対してアクションを起こしてきた彼女は、日本の環境問題に関するリテラシーの低さに危機感を覚え、日本でSWiTCHという会社を立ち上げました。若者と企業、大人を巻き込んで、脱炭素社会に向けてアクションを起こそうとしています。彼女のグローバルな視点やZ世代との強いコネクション、そしてエレン・マッカーサー財団によるプロジェクトを受講して得た業界に対する知見もあるので、今回のセッションにはぴったりな人物だと思いました。
向:彼女は国内外の同世代と活動をともにしており、グローバルな視点と日本のリアルの両方を持ち合わせた稀有な存在だと思います。対談のお相手は資生堂の大山さんと、H&Mの山浦さん。お二人ともサステナビリティ先進企業の中でサステナビリティの活動をリードされています。佐座さんとはどんな会話になることを期待していますか?
木村:循環型社会に向けての具体的なロードマップを視聴者を含めた参加者の皆さんと共に描くことを目指します。佐座さんから世代を代表して、両業界に対する提言を行なってもらう予定で、それを元にサステナビリティ先進企業である2社からの意見を交えてディスカッションします。
向:他のセッションはファッション企業がメーンですがここはH&Mに加え、資生堂も登場するところがポイント。ビューティの循環型ってなんだろう。
木村:例えば資生堂は既にボトルを生分解性の素材に切り替えていますが、ビューティ分野も使用する資源をどのよう循環させるか、販売する商品の再資源化にどう取り組むか、物を売らないビジネスにどんな商機を見いだせるかがポイントになるのではないでしょうか。
向:壮大なテーマで、ファシリテートする私の力量が問われそう………頑張ります。実はわれわれ、セッション3のテーマを「循環型ファッション」と決めるまでに1か月近く悩みましたよね。難しいテーマだし、短時間で結論を得るのも難しい。でも最終的にはこれに決めた。そこに木村さんの気概をみました。「循環型ファッション」はある意味、手段でしかないと思う。木村さんは「循環型ファッション」を通じてどんな未来を描いているの?
木村:ファッションを楽しむことが罪にならない未来でしょうか。もちろん、モノを生み出す工程では必ず負荷がかかり、「循環型」だけが正解ではないかもしれませんが、持続可能なモノ作りの一つの方法だと思います。「循環型」は本当に広いテーマです。二次流通や店頭での商品回収とリサイクルだけでなく、脱物質化、物を売らないビジネスの可能性など、是非未来に向けてディスカッションを広げていただきたいです!
向:了解!当日が楽しみです。
「WWDJAPANサステナビリティ・サミット2021」近未来のファッションデザイン
開催日時:2021年11月24日(水)18:00~
オンラインでの開催<参加無料>