「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOによる計測サービス「ZOZO マット フォー ハンズ(以下、ZOZOハンズ)」が始動した。「ZOZOハンズ」とは、マットに手をのせて手の周囲をスマートフォンのカメラで撮影すれば、手指の3Dサイズが計測できる計測ツールで、同社による足のサイズを3D計測する「ゾゾマット」の計測技術を応用し、手指計測用のアルゴリズムを組んでいる。
「ZOZOハンズ」を導入したブルガリ ジャパンは11月9〜18日に期間限定で同社のカスタマーサービスで計測サービスを受け付け、先着300人に「ZOZOハンズ」のマットを郵送する。コロナ以前からグローバルでデジタル強化を図ってきた「ブルガリ(BVLGARI)」が同サービスを導入したのは、親指を除く4本の手指の3D計測が可能で、その精度の高さからだだという。ウォルター・ボロニーノ(Walter Bolognino)=ブルガリ ジャパン社長は、「ECでリングを購入を検討するお客さまから指のサイズの計測方法について問い合わせが多く、計測ツールの導入を検討してきた。今まで、世界中さまざまな計測ツールを試したが、『ZOZOハンズ』の精度が高く、手軽さから導入を決めた。導入に当たり、ZOZOと何度も調整を重ねてさらに精度をアップした。このサービスを通してより多くの人に『ブルガリ』の世界観を楽しんでもらいたい」とコメントしている。
ZOZOが計測テクノロジーのライセンスを販売するのは今回が初めてのこと。今後、ビジネスの軸の一つとして国内外におけるライセンス販売強化を進める。澤田宏太郎ZOZO社長兼最高経営責任者は、「計測テクノロジーのライセンス販売、サービスか第一弾としてブルガリと共に精度の高いサービスを完成することができてうれしい。今後も、計測テクノロジーの開発と活用を強化していく」と述べた。
マットとスマホがあればどこでも計測可能
サービス開始日に早速、「ZOZOハンズ」の体験をしてみた。計測に必要なのは計測用のマットとスマートフォンだけ。まず、マットのQRコードをスマホで読み込むと、専用サイトへ誘導される。そこから、必要事項を選択し、計測がスタート。マットの上に計測したい手を置き、マット上のドットマーカーをスマホのカメラで6方向から撮影する。計測する手は平らに置き、スマホを手の真上に持ってきて、マットの上方にある○と画面上の○を合わせる。スタート地点からスマホを手の上にかざしながらコンパスのように回して撮影していく。撮影のコツは、3D計測なので、スマホを斜めにしながら手全体を写すという点。撮影する6方向は色分けされており、撮影が終わると各色ごとにチェックが表示される。撮影が完了すると、手の3Dスキャン画像と計測結果が表示される。リングゲージメジャーで、計測結果のサイズを試すとぴったりだ。指は節目や水かきなど個人差があるため、メジャーがないとなかなか正確なサイズが分からないが、「ZOZOハンズ」の3D計測テクノロジーにより、それが可能になった。
3D計測テクノロジーの広がり
ここ数年、ZOZOのほかでもワコールによる全身18カ所を計測できる「3Dスマート アンド トライ」など3D計測サービスが登場している。コロナ禍でリモートショッピングのニーズが高まり、ジュエリー業界でもLINEやZoomを活用したオンライン接客を行うジュエラーが増加。ネックレスやイヤリングなどサイズがないものはオンライン接客で十分だが、サイズがあるリングの場合はそうはいかない。しかも、ジュエラーによってそのサイズ感に微差があるのは否めない。それを解決したのが「ZOZOハンズ」だ。このサービスにより、ECでリングを購入するハードルが下がった。また、店舗がない地方の消費者にとっても利便性が高いサービスだと言える。10日間で、どれくらいの反響があるのか興味深い。