11月10日に発表されたダニエル・リー(Daniel Lee)「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」クリエイティブ・ディレクター退任のニュースは、業界に大きな驚きと衝撃を与えている。
リーは18年7月、「ボッテガ・ヴェネタ」を17年間率いてきたトーマス・マイヤー(Tomas Maier)の後任として、現職に就任。ブランドのヘリテージをモダンに再解釈することで数々のヒットアイテムを生み出し、瞬く間にブランドをトレンドセッターの地位に押し上げた。
ここではリーが「ボッテガ・ヴェネタ」での3年間で生み出したヒットアイテムやスタイルを振り返る。
“ザ・ポーチ”
アイコンバッグ “ザ・ポーチ(The Pouch)”は、リーがデビューした2019年春夏コレクションで発表したクラッチバッグだ。ロゴブームだった当時において、ロゴを一切あしらわないミニマルなデザインのクラッチバッグは即時にヒットしたわけではないが、シーズンを重ねるごとに愛用者が増加。ファッションウイーク期間中にはさまざまな色・素材・サイズの“ザ・ポーチ”を抱えたファッショニスタが多数見られた。
“ザ・カセット”
19年プレ・フォールコレクションで発表した“ザ・カセット(The Cassette)”バッグ。カセットテープのように四角いフォルムをしたショルダーバッグで、ブランドを象徴する編み込みの技法“イントレチャート”のサイズを巨大化させることでモダンに仕上げた。同シリーズは、その後も素材や色のバリエーションを増やしたり、パッドを入れることで丸みを持たせた“パデッド カセット”を発表するなど、“ザ・ポーチ”に次ぐ同ブランドのアイコンバッグの地位を築いた。
“ボッテガ・グリーン”
植物を連想させる力強く明るいグリーンは、リーがクリエイションを担うようになってからウエアやバッグ、シューズなどさまざまなアイテムで見られるようになったキーカラー。現在はショッパーなどにもこのグリーンが使用されている。
“ストレッチ”
リーがヒットさせたのはバッグだけではない。19年プレ・フォールで初登場した“ストレッチ(Stretch)”シリーズのサンダルもヒットアイテムの1つだ。メッシュ素材をアッパーに使用し、足首にチェーンや細いストラップをあしらった同シリーズはSNSなどでも頻繁に見かけるトレンドアイテムに。
“リド”
“ストレッチ”シリーズと人気を二分すると言っても過言ではないサンダルが“リド(Lido)”シリーズだ。バッグの“カセット”シリーズ同様、イントレチャートのサイズを大きくすることでモダンに再解釈したデザインを採用している。
“ザ・ジョディ”
女優のジョディ・フォスター(Jodie Foster)にちなんで名付けられた“ザ・ジョディ(The Jodie)”バッグは、ホーボーバッグをリーがモダンに再解釈したアイテムだ。ハンドル部分にあしらった大きなノット(結び目)が特徴で、身体が隠れるほどのビッグサイズから手持ちできるミニサイズまで種類も豊富に展開。
“パドル”
20-21年秋冬シーズンに発表した“パドル(Puddle)”ブーツもファンを熱狂させたアイテムだ。丸みを帯びたフォルムにチャンキーソールを採用したラバー製のレインブーツは、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)やラッパーのリル・ヨッティ(Lil Yatchy)、エイサップ・ファーグ(A$AP Ferg)など、セレブがこぞって愛用している。