「ユニクロ(UNIQLO)」は11月12日、デザイナーのジル・サンダー(Jil Sander)氏とのコラボレーションライン「+J」の2021-22年秋冬物を発売した。再休止前のラストコレクションとなる今季は、フルラインアップ展開店舗を全国243店にまで拡大(9年ぶりの復活だった20-21年秋冬は48店)し、ECサイトも朝7時前後にはオープン。その効果もあって、各店で混乱なく販売が進んでいるようだ。
フルラインアップ展開店舗であるビックロ ユニクロ 新宿東口店に8時15分ごろ到着すると、「行列人数は現在75人前後」とのアナウンスがあった。開店時間を1時間半繰り上げて8時半に店が開くと、行列は店内に移動。8時半時点の行列の人数は目測で100〜150人ほど。販売自体は9時にスタートした。
9時半以降、紙袋を持って店外に出てきた客に声を掛けると、「一番乗りだった」と話す40代男性は「会社を休んで4時半から並んだ」。ただし、7時にECがオープンしたことで「一番ほしかったダッフルコートなどはその時点でECで買っている。店頭では、試着が必要なシャツ類を中心に買って、店頭とECの合計購入点数は20点くらい」という。
「6時に来たら列の12番目だった」と話すのは、10年前の“第1章”の時から「+J」を買い続けているという40〜50代の女性。「21年春夏の発売日もほぼ同じ時間に来て、その時は20番だった。今季はちょっと人が減って買いやすくなっているのかも」と続ける。ショート丈のダウンコートやセーターなど5点を購入していた。
話を聞いた客の中でのメンズの人気商品は、発売前から話題になっていたダッフルコート。5時半に並んで列の9番目だったという20〜30代の男性いわく、9時半の時点で「もう店頭ではサイズ欠けが出ていた」。ただし、ECを見ると15時時点でもLサイズ以外は購入が可能だ。ウィメンズでは、ケーブル編みのハイネックセーターのネイビーが人気のようで、ECでは9時過ぎに全サイズ欠品の表示に。ビックロでは同商品のXLサイズを自分用に購入したという男性客もいた。
広報担当者に聞いたところ、「一部の店舗では整理券を配布し、各店で順調に買い物をしていただけている。(在庫量は)過去2シーズンの反響を受けて、より多くのお客さまに楽しんでいただけるようにしている」という。SNS上でも「割とすんなり買えた」「去年よりスムーズ」「余裕で買えた」といったコメントが出ている。フリマサイトの「メルカリ(MERCARI)」上では、店頭価格に数千円上乗せした転売もチラホラ。ただし、前シーズンにユニクロとメルカリとで包括協定を結んでいる効果もあって、1年前に比べるとかなり減っている印象だ。