ファッション
連載 世界の女性リーダー

米「WWD」が選ぶ業界をけん引する女性トップ50【ファッション企業トップ編】

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 米「WWD」と「フットウエアニュース(FOOTWEAR NEWS)」は今年、ファッション・ビューティ業界をけん引する女性をたたえる「50 Most Powerful Women」を初めて発表した。企業のトップからデザイナー、インフルエンサー、スタイリスト、投資家までさまざまな業種で活躍する女性50人を表彰した。ビジネスの功績だけでなく、サステナビリティやCSR活動、女性のエンパワーメント、次世代の育成など、より良い業界のために尽力してきた女性をたたえている。またそれぞれから、リーダーシップに関するアドバイスをもらった。ここでは、ファッション企業・ブランドのトップを務める女性を紹介する。


デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON) エグゼクティブ バイスプレジデント、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)取締役会・執行委員会メンバー

主な経歴・活動
 ラグジュアリー業界の巨人、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)の長子で一人娘、デルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)の活力は父親譲りだ。クリエイティブな才能を多く発掘し、型破りな新人デザイナーを同社の主要ブランドのいくつかに起用してきた。若いデザイナーの支援に情熱を注ぎ、2014年創設の「LVMHプライズ(LVMH PRIZE)」の発案者でもある。フランス・リールにあるEDHECビジネススクールとロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学んだ後、経営コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー(MCKINSEY&CO.)に勤務。その後、00年に「ジョン ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」のデベロップメント・ディレクターとして、家族が経営するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンに入社した。01年にディオール(DIOR)に異動し、舞台裏での仕事の進め方を学ぶ。その後、デピュティ・マネージング・ディレクターに昇進し、13年、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任(現職)。

リーダーシップについてのアドバイス
 リーダーシップにジェンダーは関係ないとはいえ、私たちは次世代をインスパイアし、エンパワーしていく責任がある。LVMHでは、女性がグループ内の高い地位につけるようさまざまな支援の取り組みを作ってきた。トップの地位の約半数を女性が占める「ルイ・ヴィトン」の業績については、とりわけ誇らしく思う。


フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)

サンローラン(SAINT LAURENT)」 プレジデント兼CEO

主な経歴・活動
 フランチェスカ・ベレッティーニ(Francesca Bellettini)は、投資銀行家としてキャリアをスタート。1999年にプラダ・グループ(PRADA GROUP)に入社し、事業企画開発部に配属された後、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」のオペレーション・マネージャーに就任。2003年、ケリング(KERING)に入社し、「グッチ(GUCCI)」のストラテジック・プランニング・ディレクターおよびワールドワイド・マーチャンダイジング・アソシエイトディレクターを歴任した。「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」を経て、13年から現職。

リーダーシップについてのアドバイス
 リーダーシップとは肩書ではない。組織図には載っていないし、他人や自身からの敬意なしには成立しない。リーダーには決断力が必要とされるが、全ての決断にはリスクが伴う。そのリスクに対する不安で人々が委縮してしまわないように、周りを導いていかなくてはならない。リーダーはリスクを認識しつつも、もしそのリスクを取るのが合理的なら恐れない。大切なことは、リーダーとは、みんなの強みや良いところを見つけて高める人、そして正しい方向に導いてよりよく働けるよう促す人である。

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