「ユニクロ(UNIQLO)」は12月3日に、英国発のファッションブランド「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」とのコラボコレクション「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン(UNIQLO AND JW ANDERSON)」の2021-22年秋冬物を発売します。毎シーズン恒例となっている同コラボですが、今季の注目は、世界中で愛されている英国発の絵本「ピーターラビットのおはなし」の世界観を取り入れている点。キャラクターの柄をプリントしたアイテムを販売するのはもちろんですが、販促面でも絵本をうまく生かして面白い仕掛けを行っているのでご紹介します。
面白い仕掛けとは “デジタルコレクションブック”のこと。スマートフォンで同コレクションブックにアクセスすると、スマホのカメラ越しの画像の中にAR(拡張現実)で「ピーターラビット」の飛び出す絵本が立ち上がります。「ARなんて今時珍しくもなんともない」と思われる方も多いかもしれません。その通りです。しかし、珍しいかどうかといった話ではなく、とにかくとてもかわいいのです!
「そもそも『ピーターラビット』自体がかわいいのだから、それを使っていれば魅力あるコンテンツになって当然」とも言われてしまいそうですが、「ピーターラビット」自体の魅力に加えて、飛び出す絵本というフォーマットとARとの相性の良さをうまく生かした仕掛けだなと思います。飛び出す絵本の中には、ウサギたちに混じってコラボコレクションを着用したモデルの画像も組み込まれており、それをクリックすると同コラボの特設サイトに飛ぶ仕組み。そこで公開されているコレクションムービーも、絵本の世界(イギリスの田舎の農園)を思わせるものです。
商品そのものだけでなく、ブランドとしてコミュニケーションや世界観全体が魅力的でないと商品は売れないというのはもはやファッションを売る際の常識ですが(そしてそれら全てを統括するのがいわゆるクリエイティブ・ディレクター職ですが)、改めてその常識に思いを馳せた次第です。コラボ乱立の時代、「ユニクロ」内だけでも今秋冬は「+J」「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTENEERING)」「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」など話題のコラボが目白押し。その中で、毎シーズン恒例の「ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン」は相対的にインパクトがやや小さくなっているように感じていたのですが、だからこそこういう仕掛けって大切ですね。