11月29日発売の「WWDJAPAN」は、毎年恒例のメディア特集だ。誰もが“発信者”になれる今、“編集者”とはどうあるべきか。長年一線で活躍し、後輩も多く育てるベテラン編集長に、後輩編集者に送るエールを色紙にしたためてもらった。「リシェス(Richesse)」の創刊編集長で、女性誌編集長歴25年の十河ひろ美編集長のメッセージは「人たらしであれ!」。編集者の心得と仕事に対する姿勢を聞いた。
WWD:「人たらしであれ!」に込めた思いとは?
十河ひろ美「リシェス」編集長(以下、十河):ファッション誌やライフスタイル誌は、人を通して新しい時代の流れをつかんでいくメディアですから、人と人との結びつきやつながりがとても大切です。スタッフも含めて、人に愛される、人に信頼されるということが、編集者は特に重要です。君だからこの話を教えるよとか、あなただからこの会議にお誘いしたのよと声を掛けてもらえる、そういう人物になっていくことで、道が開けていくのではないでしょうか。
WWD:自身もそれを心掛けてこられた。
十河:4半世紀も編集長を続けられているというのも、ひとえに周りの方とのご縁ですね。私は「人が好き」というのがあるかもしれません。何より好奇心が強くて、人に出会うと、すごく興味がわく。そうして出会った方々を通して、自分が支えられ、今があると思っています。そういう出会いに感謝の気持ちを持てるかどうかも、心に余裕がないと難しいです。ですから、そう思えるような状況を、自分の環境の中で作っていくことも大事だと思います。
WWD:それはスタッフや後輩の編集者にもよく話されますか?
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