「エルメス(HERMES)」は11月23日、伊勢丹新宿本店の本館1階にあるブティックを半年間の改装を経てリニューアルオープンした。1995年にオープンしたブティックは、2014年に一度改装。今回は売り場面積を約40%増床し、「エルメス」にとって世界で初めての“デュアルユニバース”型店舗となった。設計は、パリのRDAI(レナ・デュマ・アルシテクチュール・ダ ンテリユール社)が手がけた。
“デュアルユニバース”とは、大勢の買い物客に対応する空間と、上顧客らが望む親密な接客・サービスの双方を叶える空間の共存を意味する。シルクスカーフや化粧品などを販売する空間は、門構えを廃して開放的。一方、ウィメンズ&メンズのプレタポルテやレザーグッズ、ウオッチ&ジュエリーの売り場に通じるエントランスには、美濃焼のタイルを配したファサード(玄関)を設けた。内装も、前者の空間はネオンピンクのロゴサインやペールピンクの壁面、曲線的な天井など軽やかなのに対して、プレタポルテやレザーグッズの売り場は直線的でクラシカル。2つの異なる世界は、縦横無尽に行き来できる。
エルメスジャポンの有賀昌男社長は、「今だからこそ、ブランドとして進化する必要がある。コロナでも、未来への投資は止めない」と大阪心斎橋、丸の内、表参道に続くブティックの改装に込めた思いを吐露。「フランスのデザインチームは、自宅待機の中でクリエイションにエネルギーを注ぎ、商品の進化が止まらない。その真価に合わせて、新しい空間で、ワクワクを届けたい。世界で戦える最高の店を作りたい」と続けた。