スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明社長に聞く連載。目玉商品を乱発してきた「ナイキ(NIKE)と」の人気が徐々に落ち着きを見せ始め、「ニューバランス(NEW BALANCE)」や「プーマ(PUMA)」など、他のブランドが売れ始めている。“第3次スニーカーブーム”はまさに過渡期を迎えていると言っても過言ではない。今回は、時代の変化に対応するために必要な話。スニーカーブームの隆盛と衰退を何度も経験してきた本明社長が考える、ビジネスの基本のき。(この記事はWWDジャパン2021年10月18日号からの抜粋です)
――2019年に発売したインライン(通常モデルのこと)の“エア フォース1(AIR FORCE 1)”を履きつぶしちゃったんで買い直したいんですけど、見つからないんですよね。たまにリセールサイトに出品されても(定価1万5400円に対して)5万〜8万円で高いな、と。当時は並ばずに買えたんですが。
本明秀文社長(以下、本明):そうそう。買った時は普通だなと思っても、注目されていないから逆に見つからない。買った人も同じように履きつぶしていたり、「ナイキ」もそもそも数を積んでなかったりする。本当の目利きはそういうモノを買っておいて、寝かせて出品する。それに、レアなモノをみんなが履いていればそれが普通になって、普通のモノが履きたくなるもの。これまでは白ベースのスニーカーが売れていたけど、反動で今は黒ベースのスニーカーの方が人気があるしね。
――それは面白いですね。
本明:ないモノはみんな欲しいけど、あるモノは誰も欲しがらない。最近は「ナイキ」も生産数が多過ぎて売り切れなくなってしまったから、スニーカーのリセール価格が落ちてきて、“にわか転売ヤー”が怖くて買えなくなってきたと聞くよ。(リセールサイトの)「スニダン」もとうとう販売手数料を取り始めるんでしょ?
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