スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやを本明社長に聞く連載。ショップやメーカーが関係者にスニーカーを渡す「中抜き」や「バックドア」「シーディング(ギフティング)」……。PRなど目的はさまざまだが、一昔前はそんなレアスニーカーを履いている業界人を雑誌で見ると「カッコイイ」というノリだった。だけど今は、それを良く思わない客たちがSNSでディスりまくる世紀末みたいな状況。最近も人気スニーカーユーチューバーが餌食になってしまった。(この記事はWWDジャパン2021年11月1日号からの抜粋です)
本明秀文社長(以下、本明):2021年8月期の売上高は201億円だった。コロナ禍で前年の171億円から30億円伸ばせたのは、スニーカーブームのお陰だと思う。でも今期こそは厳しい。コロナでベトナム工場が閉鎖されているから減産で売り物が手に入らない。
――創業以来初の前年割れもあり得ますか?
本明:いやいや、「アトモス(ATMOS)」を始める前は前年割れもあったし、もともと浮き沈みはあったよ。でも今のスニーカーブームの根本は、ファッションがオシャレから投資に変わっているからだろうね。売れると思ったものはみんな欲しい。この前(スニーカーユーチューバーの)SOSHIとスニ垢男子が炎上したのを知ってる?
――はい。「ナイキ(NIKE)」×「パタ(PATTA)」の“エア マックス”を発売前に彼らのユーチューブで紹介した動画が炎上したんですよね?
本明:そう。「ナイキ」のプロモーションで、SOSHIとスニ垢男子にその“エア マックス(AIR MAX)”をシーディングして、発売前にユーチューブで紹介してもらったら、それが大炎上した。「ナイキ」側の広告代理店のアイデアで、「アトモス」から届いた段ボールを開封したら中身が“エア マックス”だったというストーリーだったんだけど、それが「アトモス」から“中抜き”したんだと思われて炎上した。でも真相はただ“エア マックス”を盛り上げるためのプロモーションで、彼らは協力してくれているだけ。彼らにとっては、交通事故に遭ってしまったようなものだよ……。
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