百貨店大手5社の11月度の売上高は、全社が前年同月の実績を上回り、3社が2ケタ増収だった。大手5社がそろってプラスになるのは2カ月連続。コロナ前の一昨年の同月に比べても5%前後のマイナスまで回復した店舗が多い。外出機会の増加と気温の低下に伴い、衣料品も復調に向かっている。
前年同月との比較では三越伊勢丹が14.5%増、高島屋が9.2%増、大丸松坂屋百貨店が15.9%増、そごう・西武が7.8%増、阪急阪神百貨店が11.5%増だった。ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品だけでなく、コートやブルゾンといった冬物衣料に動きが出ている。阪急うめだ本店では婦人ファッションを中心に2割増のカテゴリーが目立ったという。「家族行事やブライダル、友人との会食といったハレの日のニーズや、ギフトなどリアルのコミュニケーションも戻りつつある」(阪急阪神百貨店)と分析する。クリスマスケーキやおせちの予約も前年実績を上回る店舗が多い。