ファッション

専門店11月度、気温低下でも消費回復せず ユニクロは4カ月連続前年割れ

 専門店チェーン、セレクトショップの2021年11月度売上高(既存店ベース)は、月後半にかけて気温が下がったものの、手放しで好調と呼べる企業は少なかった。緊急事態宣言明け以降、華やかなアイテムが動き始めているという報道も一部であるが、実需中心のマーケットでは消費がなかなか戻らない状況を映している。

 国内ユニクロは前年同月比4.6%減。4カ月連続の前年実績割れと芳しくない。19〜29日が恒例の感謝祭で、月内には「+J」や「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」とのコラボ商品の発売といった話題性もあったが、「月前半に高気温で苦戦しており、それをカバーしきれなかった」(広報担当者)。

 しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同4.7%増。暑さにより前年実績を割り込んだ10月度から回復している。20日締めのため、10月下旬の急な冷え込みと11月半ば以降の気温低下で冬物が売れたと同時に、この間強化しているトレンド商品やキャラクター商品もチラシの打ち出しでヒットした。

 アダストリアは同5.3%増。前年11月に売り上げをやや落としていた反動もあるが、「予算は上回っており、手応えを感じている」と広報担当者。月前半の高気温下でも「前年並みは確保できた」。二宮和也さんを起用した、自社ECモールのCMキャンペーンの効果もあったという。

 良品計画の「無印良品」は同0.1%増。衣料は同6.6%減と苦しんだが、家具類が10%オフキャンペーン効果で伸長、全体を押し上げた。

 ユナイテッドアローズは同8.5%増。ただし前年11月が同27.3%減だったことによる反動は大きい。「10月から段階的に消費が回復している感触はあるが、当初の予想に対しては回復力は弱い」と楽観ムードはない。

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